#33 香織姉のシュークリーム ♡
「昨日は本当にありがとうございました。とても楽しかったです」
「もう少し遊んでいても良かったのに」
「いえ、2人きりの時間も欲しいと思うのでわたしたちは帰ります」
心愛ちゃんと心音ちゃんはわたしたちに気を遣ってくれてるのか、午前中に帰るみたい。
「また明日ねー、ゆきあくん、香織さん♪」
「うん、また明日」
2人は帰って、昨日から続いたお泊まりは終了した。
わたしは今、ゆきあくんにもふもふしている。
パーティーからはあまり構っていなかったから、その分構っている。
「もう香織姉ってば…」
「うふふ、ゆきあくんも満足なくせにー」
わたしたちはいつものようにいちゃついている。
「ゆきあくん、そろそろおやつにしない? わたしのシュークリームを食べよう!」
「ありがとう香織姉… えっと、香織姉のシュークリーム!?」
「うん、わたしが手作りしたシュークリームをゆきあくんに食べてほしいの」
「えっ…? あ、う、うんそうだよね…」
うん?
ゆきあくんの様子がおかしいけどどうしたんだろう?
…。
あっ、分かった!
「あれ~、ゆきあく~ん。わたしのシュークリームって聞いて変なこと想像したんじゃないんですかー?」
「ふぇ!?べ、別にそんなことは…」
「うふふ、わたしのおっぱいを想像したんですよねー」
「…な、なんで!?」
「やっぱりそうなんだー。もうゆきあくんのエッチ」
「…す、すみません!」
「今からシュークリーム持ってくるからちょっと待っててね」
わたしはキッチンへ向かって、焼きたてのシュークリームを持って部屋に戻った。
「お待たせー」
「うわぁーおいしそうだね…」
「はい、どうぞー♡」
「…えっ!?」
わたしはシュークリームをつまんで、白いセーターの胸元に当てている。
「な、何してるの…?」
「わたしたち、小さい頃にシュークリームを胸に当てて『おっぱーい』って言って遊んだことあるでしょ? その遊びだよ~」
「いやいや、そんなことされたら食べにくくなっちゃうよー!」
ゆきあくんってば照れてかわいい…。
これだからゆきあくんのこと、いじめたくなっちゃうんだよ。
「うふふ、食べづらいんだー? あっそうだ! わたし、ベッドの上で仰向けになるから」
「もっと食べづらくなるよー!」
「えー、昔は良くこうやって食べてくれたじゃない!」
「そ、そうだっけ?」
「ゆきあくんが赤ちゃんの頃、わたしのおっぱいに当てがった哺乳瓶をいっぱい飲んでたんだよー!」
「えっ、そうだったの!?」
「そんな頃からわたしはゆきあくんのことが好きだったんだよ。それなのにわたしのシュークリーム食べてくれないの?」
「うっ、わ、分かった、食べるよ…」
「ありがとう、ゆきあくん。じゃあ取ってね」
「う、うん…。あっ…」
ゆきあくんがわたしのおっぱいに当ててるシュークリームを取ろうとしたらわたしのおっぱいに当たった。
「きゃー♡ もうゆきあくんってばー」
「い、いや香織姉が当てたよね!? ひゃ!?」
「えーい!」
パシィン!
わたしはいつものようにゆきあくんをビンタした。
「うふふ、お仕置きのビンタだよ♡ でもわたしちょっとイジメすぎちゃったね。ごめんなさい。ちゃんと食べさせてあげるから」
わたしはイジメすぎたことを反省して、シュークリームを小さくちぎってゆきあくんの口の中に入れた。
「はいゆきあくん、あーん♡」
「あ、あーん…」
パクっ!
「どうかな? おいしい?」
「う、うん。おいしいよ」
「ふふっ、ありがとう」
そうするとゆきあくんは起き上がって
「ぼくも香織姉に食べさせてあげる」
とシュークリームをちぎってわたしに食べさせようとした。
「えっ、いいのゆきあくん?」
「うん、いつものお礼」
「ありがとう、じゃあお言葉に甘えちゃおう~」
わたしたちはシュークリームを食べさせあいっこした。
「ふぅ~ごちそうさま」
「ごちそうさま。あっ、ゆきあくん」
「うん、何?」
ペロッ。
「ひゃっ!?」
「うふふ、ゆきあくんのほっぺにクリームついてたからなめてあげたよ~」
「あ、ありがとう…。うぅ~やっぱり香織姉になめられるのは慣れないよ…」
ゆきあくんは小さい頃から、わたしになめられるのは苦手みたい。
その度にいつも腰を抜かしたように座ったまましばらく動けなくなってしまう。
「ふふっ、ごめんなさい♪ じゃあわたしそろそろ夕食の準備するね」
「待って香織姉…」
わたしはキッチンへ向かおうとすると、ゆきあくんに引き留められた。
「ど、どうしたのゆきあくん?」
「もう少しだけ、一緒にいてほしい…」
「ゆきあくん…」
ゆきあくん、ときどきわたしに甘えてきてかわいい…。
それに応じて、もう少しだけ一緒にいることにした。
「か、香織姉…」
「な~にゆきあくん?」
「シュークリームありがとう…」
ゆきあくん、本当にかわいい…。
「うふふ、どういたしまして」
読んでいただきありがとうございます。
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