#32 パーティー後のお泊まり ☆
ぼくは今3人で温泉に入っている。
最近、女性と入ってることが多いのは何故だろう？
ずっとドキドキしぱっなしだよ…。
今僕は、シャワーを浴びており、2人は湯船につかっている。
「はふぅ～、お菓子おいしかったぁ…。」
「心愛ちゃんってばすっかり満足してるねー。でもあれだけ食べたら太っちゃうよ」
「なっ！？ た、食べたらその分運動するから大丈夫だよ…。多分…」
「心愛ちゃんが運動するのは、あまり想像つかないなー。でも太った心愛ちゃんはちょっと見てみたいかもー」
「心音ちゃ～ん？」
「ひっ、心愛ちゃん怒ってる？」
「うふふっ、別に怒ってないよ？ 心音ちゃんはわたしのことそういうふうに思ってるんだねぇ～？」
「ご、ごめんなさい！ 言い過ぎちゃったー！」
「もう次はないからね」
2人はそんな会話をしている。
「ゆ、ゆきあくんもおいでよー」
「い、いやぼくは遠慮しておくよ…」
「わたしたち、ゆきあくんと一緒に入りたいの。だめ…？」
2人がうるうるしながらそう言った。
その目を見たら、断れなくなるよ…。
「ふぅ～いいよ」
「ありがとうゆきあくん」
ぼくは一緒に湯船につかった。
「えーい」
「わっ！？」
心音さんが僕に抱きついてきた。
「えへへ、ゆきあくんとの温泉久しぶりだよー」
「こ、心音さん…？」
「もう心音ってば、わたしもゆきあくん抱いちゃうー」
「こ、心愛さん！？」
心愛さんまで抱きついてきた。
「それにしても、2人ともちょっと大きくなったよね…」
「そうだね。身長もちょっと伸びたよね」
「うん、あたしたちも成長したよね」
「ぼくは、相変わらず身長伸びてないけどね…」
ぼくは2人と初めて会ったときから2人よりも身長低いんだよね。
自分で言ってて悲しくなってきたな…。
はははっ…。
「大丈夫！ ゆきあくんは小さいままでいいから！」
「確かにゆきあくんがわたしより大きくなったら、もふもふ出来なくなっちゃうから困っちゃうなー」
「そ、そんな～！？」
それを聞いてぼくは、複雑な気持ちになったが、2人は笑ってごまかした。
温泉からあがり、ぼくは、今香織姉と部屋にいる。
「ふぅ～」
「ふふっ、ゆきあくんってばモテモテだね」
「いや、モテてるわけじゃないと思うけどね」
2人も部屋にやって来てどういう風に寝るか相談し、2人が
「ゆきあくん一緒に寝よう！」
とぼくに提案した。
「えっ、ぼ、ぼく！？」
「うん、お願い」
「わたしは賛成だよ。ゆきあくんも一緒に寝てあげて」
香織姉にもそう言われたので、ぼくは、引き受けた。
ぼくは、今布団で心愛さんと心音さんに挟まれて寝ている。
…。
ドキドキして眠れやしない…！
普段2人と寝たことないからどうすればいいんだ！
「あの、ゆきあくん…」
そんなことを考えていると心愛さんがぼくを呼んだ。
「はいっ！？」
「もしかして眠れないの…？」
「えっ、う、うん…」
「眠れないのってわたしたちと一緒だからだよね…。ごめんなさい…」
「えっ！？ い、いやそれはその…」
ぼくは、咄嗟にごまかそうとしたが、言葉が出てこない。
「ふふっ、ごまかさなくていいよ。わたしには分かるから」
心愛さんには全てお見通しみたいだ。
「そ、そういえば今日のお菓子どうだった…？」
「うん、おいしかったよ」
「…！？ あ、ありがとう…」
「ゆきあくんはいつも香織さんと寝てるんだよね。香織さんとはすぐに寝れるの？」
「ま、まあ物心ついたときはドキドキで眠れなかったけど、寝ていくうちに慣れてきたよ」
「そうなんだ、じゃあわたしとも慣れてほしいなー」
「えっ？」
「ふふっ、わたし、ゆきあくんのこと好きだよ。優しくてかわいいし、わたしの自慢の幼馴染だよ♪」
「こ、心愛さん…！？」
「ねえ、ゆきあくん。これからもわたしと心音と一緒にいてね」
心愛さんは幼稚園の頃から、いつもぼくのこと優しくしてくれる。
そんな心愛さんにそう言われて泣きそうになっちゃうよ…。
でも、ぼくは、泣くのを我慢してこう伝えた。
「うん、ぼくの方こそこれからよろしーっ！？」
「ゆきあくん！？」
ぼくは、突然何者かに蹴られた。
「心音、相変わらず寝相悪いね…」
そう何を隠そう、心音さんは寝相がとても悪い。
そんな心音さんに蹴られて、ぼくはそのまま眠った。
翌日
「う～ん、おはようみんな」
「ふぁ～、おはよう香織さん」
「ふふっ、心音ちゃんは元気だねー。ゆきあくんと心愛ちゃんは寝相凄いね…」
「心愛ちゃんは知ってるけど、ゆきあくんも寝相悪いんだねー」
香織姉と心音さんがそんな会話をしている。
心音さんは寝相悪いのは無自覚で、逆にぼくと心愛さんが寝相悪いと思い込んでいる。
「そういえば、心愛さんはよく心音さんと寝てるんだよね…」
「うん…」
「大変だね…」
「うん…」
心愛さんと苦労を分かち合ったのだった。
読んでいただきありがとうございます。
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