#2 ゲームがしたいお姉さん ♡
今回は香織視点です。
わたしの名前は、水瀬香織。
今年で高校1年になります。
そんなわたしには、弟がいます。
弟の名前はゆきあ。わたしはゆきあくんって呼んでいます。
ゆきあくんはとてもやさしくてかわいいです!
あまりにもかわいいから、ついいじめたくなっちゃうんです♪
さっきもゆきあくんがわたしのことを天然って言ったので、ペロペロしてお仕置きしちゃいました♪
それにしても、わたしって天然なのかな?
わたしは、自分で天然だと思ったことないけどね。
「うふふ、ゆきあくん反省しましたか?」
「うん…。」
「もう二度とわたしのこと、天然って言っちゃダメだよ♪」
「でも本当に天然だからなぁ…」
「ゆーきーあーくーん?」
「噓です! もう言いません! 許してください!」
「うふふ、しょうがないなあ」
ゆきあくんも何だかんだでわたしにいじめられたいんだよね♪
その後、わたしたちはゲームをすることになりました。
といってもゆきあくんが一人用のRPGゲームをやってて、わたしが見ているだけなんだけどね。
「うふふ♪」
「ん? どうしたの、香織姉?」
ゆきあくんが不思議そうに聞いてきた。
「ゲームをやってるゆきあくんがかわいくてつい♪」
「!? 香織姉ってばぼくのことかわいいって言い過ぎだよ…」
「だって、かわいいんだもん」
「ぼくは香織姉の方がよっぽどかわいいと思うよ…」
…!?
ゆきあくんがわたしにかわいいって♪
「もう、ゆきあくんったら♡」
パシンっ!
「ひゃっ!」
わたしは照れ隠しで思わずゆきあくんのことをビンタしちゃった。
「あっ、ごめんなさい、ゆきあくん! 痛かった?」
「ううん、大丈夫だよ…。むしろありがとう」
「ありがとう? もうゆきあくんってば…」
「あっ、今のは気にしないで!」
ゆきあくんって意外とドMなんだよね。
「ねえ、ゆきあくん♪ わたしと一緒にゲームしない?」
「いいけど、何のゲームにする?」
「ふふっ、すごく丁度いいものがあるよ♪」
そう言ってわたしは、アクション、レース、パズルゲームを取り出した。
「香織姉どうしたのそのゲーム!? めちゃくちゃ二人で遊べるものばかりじゃん!?」
「うふふ、ゆきあくんと遊ぶために買ったんだよ♪ ママからも了解とったよ♪」
「そうなんだ…! やろうやろう!」
うふふ、ゆきあくんも男の子だね。はしゃいでてかわいい…。
「どのゲームやる?」
「レースゲームはどうかな…?」
「分かった!」
「わたしが勝ったらゆきあくんをビンタしちゃうよ!」
「…なんで!?」
「うふふ、ビンタしたいからに決まってるじゃん♪」
「…まあ、いいよ! …じゃあぼくが勝ったら一緒にアイス買ってくれる?」
「分かったよ!」
そんな約束を交わし、わたしたちはゲームを始めた。
数分後。
「やったー♪ わたしの勝ち♪」
「…負けた」
1戦目はわたしの勝ちでした。
「香織姉、もう一戦!」
「ゆきあくんも負けず嫌いだね。いいよ!」
また数分後。
「全然勝てない…」
「うふふ、ゆきあくんはわたしに勝てないんですよ♪」
「このコースならいける! もう一回!」
「いいよ! 何回でも受けてあげる!」
また数分後。
「あー落ちちゃった!」
「この勝負貰った!」
3回戦はゆきあくんが勝った。
「やったー! 初めて香織姉に勝てた!」
「うふふ、おめでとうゆきあくん。もう一戦やるよ!」
「うん!」
その後も何レースか行い、
「もう少しで抜かせる!」
「そうはいかないよ!」
ペロッ。
「ひゃっ!」
「やったー、またわたしの勝ち♪」
「ちょっと、香織姉! 対戦中になめるのはやめてよ…!」
「うふふ、ごめんなさい♡」
わたしは舌を出しながら謝った。
「…反省していないよね!?」
「あーアイテム取られた! もうゆきあくんってば~、許さないよ!」
「うっ、ゲームだけどごめん…」
「ふふっ、ゆきあくんゲームでも優しいね」
「でもこの勝負ぼくが勝つよ!」
「ううん、勝つのはわたしよ!」
そして、すべてのレースが終わった。
『はぁはぁ…』
9レースやって、結果はわたしが5勝、ゆきあくんが4勝で、
「わたしの勝ちだね♪」
「あとちょっとだったのにな…」
「というわけだから、ゆきあくんビンタするよ♡」
「あーそういえばそんな約束だったね…。いいよ」
「うふふ、じゃあいくよ」
そして、わたしはゆきあくんのことを優しくビンタした。
「えいっ♡」 パシィン!
「さっきよりは優しいね…。」
「うん、さっきはちょっとやりすぎちゃったからね。」
グー。
突然ゆきあくんのお腹がなった。
「うふふ、もうゆきあくんったら」
「ごめん、香織姉」
「もうこんな時間だしご飯にしよう」
「そうだね」
わたしたちはこれから昼食をとることにした。
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