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#24 2人のクラス話 ♡

昼食後、3人はリビングで遊んだ。

わたしはやらなければいけないことがあったので、一緒に遊ぶのは遠慮した。

それにしても、わたしも今日から高校生なんだね。

あまり実感がわかないな~。


午後5時くらいになったところに、心愛ちゃんと心音ちゃんがやってきた。

「お邪魔しました、香織さん」

「ゆきあくんが寝ちゃったから、そろそろ帰るね」

「あれ、そうなんだ?」

どうやらゆきあくんは寝ちゃったみたい。


「今日もゆきあくんと遊んでくれてありがとね」

「じゃあまた明日―」

「また明日です」

2人はそれぞれの家に帰った。




わたしはゆきあくんが寝ている間に、夕食を作っている。

その合間に、ゆきあくんをそろそろ起こそうと思い、ソファーで寝ているゆきあくんのところに向かった。


「ふふっ、ゆきあくんの寝顔、本当にかわいい…」

その前に寝顔を堪能しなきゃね!

そんなときだった。

ゆきあくんが

「お姉ちゃん…」

と寝言でわたしを呼んだ。


「きゃー! ゆきあくんが寝言でわたしのこと、お姉ちゃんって呼んでくれたよ~!」

「ふわぁー!?」

ゆきあくんがびっくりして飛び起きた。


「な、何やってんの香織姉!?」

「だってこんなにかわいいゆきあくんの寝顔だよ~! 写真に残さないほうが失礼だよ~!」

わたしは興奮冷めやらぬと言った感じで、ゆきあくんにスマホのカメラを向けて、撮影を続けている。


「も、もうやめてよ…」

ゆきあくんが泣きそうにしていたので、やめることにした。

「ごめんね、ゆきあくん。寝顔がかわいくてついね」

「うん…。あれ、そういえば、2人は?」

「ゆきあくんが寝ている間に帰ったよ」

「えっ? ああ…そっか、ぼく寝ちゃったんだ…」

「きっと、久しぶりの学校で疲れちゃったんだね。よしよし~」

わたしは、ゆきあくんの頭をゆっくりと撫でたあと、立ち上がってゆきあくんに告げる。


「待っててね。もうすぐ夕飯、できるから」

わたしは、鼻唄を歌いながらキッチンへと戻っていった。


「あっ、ゆきあくん。さっき、わたしのこと…、お姉ちゃん、って言ってなかった?」

「へっ!? いっ、言ってないよ! 聞き間違いじゃないかな?」

「そっか~」




料理も終わり、わたしたちは夕食を食べ始めた。

「今日はハンバーグだ~」

「今日は進学祝いだからね~!」


ハンバーグはゆきあくんが好きなメニューの一つで、わたしは祝い事があると、何かとゆきあくんの好物を作ってしまう。


「いっぱい食べてね、ゆきあくん」

キラキラと、優しい笑みを浮かべながら、そう告げた。


「…うん。いただきます」

ゆきあくんもそんなわたしを見ると、つい口を噤んでしまう。


「ねえ、美味しい?」

「うん、美味しいよ」

「ふふっ、やったぁ~! ゆきあくん、わたしの料理好きだもんね~♪」

「香織姉の料理は、なんでもおいしいよ。今日のハンバーグだって、食べた瞬間に肉汁が溢れだしてきて、一緒に食べるご飯が3割増しで美味しく感じるよ。」

「本当に? ありがとう♪ あっ、おかわりもあるからね」

「うん」


そんなやり取りもしてる間にわたしはゆきあくんに話しかけた。

「あっ、そういえば。ゆきあくんは新しいクラスどう?」

「うん?」

「ゆきあくん、人見知りだから友達とか出来たのかな~って思って」

興味深々といった感じに聞いた。


「うん、2人出来たよ」

「えっ、本当に!?」

「ふゆかさんとなつきさんって言うんだ。香織姉のこと、前から尊敬してたみたいだよ」

「え~、そうなんだ~。良かったね、ゆきあくん。わたしも嬉しいよ~」

ゆきあくんが友達出来たみたいでわたしも安心した。


「ありがとう香織姉。そういう香織姉はどうだった?」

「わたしも新しい友達が出来たよ。クラスの女子みんなにもゆきあくんのこと、いっぱい話したよ」

「はっ、はいっ!?」

突然の宣告に、驚きを隠せないゆきあくん。

しかし、そんなことは気にせずに、わたしは話を続けた。


「うん。だからね、わたしがゆきあくんの話をしたら『いい弟だね!』って言ってくれて、みんなゆきあくんに会いたがってたの」

「そ、そうなんだ…」

「みんな、ゆきあくんのこと、ぎゅ~ってしたいって」

「どんな話をしたの!?」

「だから、今度クラスみんなにゆきあくんのことを紹介したいんだけどいいかな?」

「いやいや、流石に荷が重いよ!」

「ふふっ、どうするゆきあくん?」

わたしがそう尋ねるとゆきあくんは宣言した。


「分かった。紹介してもいいよ…」

「ほ、本当っ!?」

「でっ、でも、すぐには無理…。もう少し…時間が経ってからにしてほしい…」

「う、うん。ゆきあくんがそう言うなら」

お互いの話が終わり、わたしたちは残りのハンバーグに手を付け始めた。




読んでいただきありがとうございます。


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