アリッサの激励
翌日、リードの元にアリッサが訪れる。
いつもなら攻撃的な魔族の服を着ているアリッサがおしとやかなドレス姿を身に纏っている。
「リード、元気ないわね。どうしたのよ。」
「あぁ、アリッサか。お前も聞いてるだろ?昨日、父上に来年の闇の日に次期魔王を決めると言われたんだ。」
「そうね。アランが言いまわってるわ。次期魔王は俺だって。」
「誰がどう考えてもそうだよな。だがな…」
と一息つくとリードは続ける。
「みんなは知らないと思うが、人族の村の襲撃の情報を人族へ伝えてるのはあいつだ。
やつは襲撃の情報を伝え金品を受け取っている。
あんな奴を次期魔王にして魔族の繁栄があると思うかい?」
「そうなの…アランらしいといえばアランらしいわね。」とアリッサは続ける。
「でもまだ1年近く後の話よ!まだあなたにもチャンスはあるじゃない!!」
「無理だよ、どう考えてもあいつには勝てない。」
その瞬間、アリッサの平手がリードの頬に飛ぶ。
「それでも男ですか!軟弱者!そんな弱気でどうするのよ!!意気地なし!!」
「そうは言うけど…」
「レベルのあるスキルは鍛えて、何かしらの条件を満たせばレベルが上がるじゃない。」
「あぁ、たしかにな。」
「ならば、同じように何かしらの条件を満たせば新しいスキルが身に付くことがあるかもしれないじゃい?」
「そうかもしれないが…そんな話、聞いたことあるか?」
「知らないわよ。だからといってまだ負けと決まったわけじゃないのよ!!」
叫んだアリッサの艶やかな唇が、反論は許さないと言わんばかりにリードの唇を塞ぐ。
そしてアリッサの妖艶な美貌を隠し切れないドレスの肩紐を自分で外す。
リード「いいのか?」
アリッサ「わたし、負ける賭けはしないの。」
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そしてアリッサのリードで達した2人。
「ねぇリード~、もう一回お願い。」
「無理だよ。魔の精剛のことは知ってるだろ。」
「やってみましょうよ。ほら、こうすれば…」
パク。
「あれ?リード?ねぇ、リードってば!あ、昏睡してる…」
次は勇者との出会いです。
誤字チェックが終わり次第、次も連続投稿します!