願い
突然、あたりが真っ白になり、また女神が現れた。
「亮太さん、美佐さん、美樹さん、ありがとうございます。
この後のことは任せてください。この世界を司る神として全責任をもって対処いたします。セシリアさんも悪いようにはしません。
お礼にここの財宝も美佐さんの異次元収納に入れました。さぁ、約束通り、皆さんの願いをかなえましょう。」
願いは決まっている。
俺たちは一斉に言った。「元の世界に帰してください。」
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真っ白な世界が消えるともとのコンビニの前にいた。
その瞬間、車が猛スピードで突っ込んでくる。
俺の腕を掴んでいた美佐に力みはない。
「よし!身体強化!車を止めてやる!」
俺が車を止めると、駆け付けた美樹ちゃんが俺の背に触れ、
「私も身体強化!」
美樹ちゃんはコンビニの入口に置いてある看板を盾にして駆動輪である前輪を浮かせる。
「えっと、私は、ストーンウォール!」
美佐は車の下から石壁を発生させて車を横転させる。
驚ぎ顔の荒木圭太、とっさに車から逃げようとするがドアが壊れて開かない。
「なにもこんな直前の場面に送り返さなくてもいいのにな。(笑)」
「お兄ちゃんやミキ達なら、きっと大丈夫って思ったんだよ。(笑)」
「忘れてたんじゃないかしら。それとも誰かさんが気苦労が絶えなそうとか言うから気にしなかったんじゃない。(笑)」
美恵さんが警察に連絡したみたいだ。俺たちは石壁を消して警察の到着を待った。
僕達には帰れる場所があるんだ。こんな嬉しいことはない。
慌てて駆けよる美恵さんと抱きしめあった。
ピーポーピーポー
警察の現場検証では、なぜかコンビニの防犯カメラには、俺達を轢く直前で縁石に乗り上げ横転する車の映像が残っていた。
そして、俺たちを轢き殺そうとして、ハンドル操作を誤り横転したものとして処理された。
それから警察の簡単な事情聴取の後、4人でアパートに帰った。
「あのねぇご主人様、わたし妊娠したみたなのぉ。」と、美恵さんの驚愕の告白。
「え、ほんと!」と驚きながらも、俺は美恵さんを抱きしめる。
女神さまは財宝を美佐の異次元収納に入れたというが、現代社会で金に換えられるのか?無理だよな。
もっと働いて稼がないと子育ては厳しいぞ。うれしいけど、がんばらねば。
「えぇ~。ずるい!ミキも!ミキも!ミキもお兄ちゃんの赤ちゃん欲しい!」
「美樹はまだ高校生でしょ。ちゃんと大人になってからにしなさいね。」
「はぁ~い」。
ゴムなしで散々しちゃってるけど、今後はちゃんと避妊魔法のお世話になろう。
「わ、私も亮太の赤ちゃん欲しい。」
「美佐も、ご主人様のお父様に無理言って学費出してもらったんだから、ちゃんと大学卒業しなさい。」
「はぁ~い」。
避妊魔法よろしくね。
俺達の幸せな生活はまだまだ続きそうだ。
――― 完 ―――
これで完結です。
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