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魔王の王子、転生してウハウハする。(R15版)  作者: しんりゃくしゃ
第三章:元魔族の王子、前世の世界へ転移する
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バレンタインデー

「ちょっと、スライムって序盤に出てくる魔獣なんじゃないの?もぉ~、べとべとじゃない。」

「ぬめぬめして気持ち゛悪いよ~。」

「美佐、生活魔法できれいにできない?」


「クリーン!」


「奇麗にはなったけど、あのぬめぬめの気色悪い感触がまだ残ってるぅ~。お兄ちゃんのアレでぬめぬめになるのなら大歓迎なのにぃ~。」

「美樹ぃ~、アレと一緒にしないでよ。それにちょっと下品よ。」


「精神的に疲れたね。あそこに村が見えるから、今日はあの村で宿を取って休もう。」



 俺たちは小さな村に一軒だけあった宿屋に泊まった。

 おそらくこれが最後の宿泊施設での寝泊まりになる。魔族の国に入ったら原則野営になるだろう。


 とは言え、田舎の小さな村にある宿屋だ。風呂もなくトイレも共同。ただベッドが置いてあるだけの質素な部屋だ。


「お兄ちゃん、体を拭きたいから、ちょっと外で待ってて。」

「え?」

「いいから出てって!」


 体を拭くって、さっき美佐の生活魔法かけたばかりだし、それで十分だろう?

 そもそも、追い出さなくったって、今更、お互い隅々まで知り尽くしてるじゃないか。


 まぁ、いいや。

 魔族の国に入る前に武器の手入れをしておこう。


「あの~。武器の手入れをしたいので拭くものをいただけますか?」

 ドア越しに声をかけると美佐の手だけが出てきてタオルを投げてよこす。


 よっこらせと廊下に腰を下ろし俺は武器の手入れを始めた。


 剣にさっきスライムの汚れがまだついてるな。生活魔法では衣類と体しかきれいにできないもんな。

 ふきふき。ごしごし。

 どうだ!ぴかーん!


 せっかくだから、こっちも。ごしごし。

 どうだ!ぴかーん!


  :

  :

  :


 しばらくすると、美樹ちゃんが頭だけひょこと出し、

「お兄ちゃん、もういいよ。」


 部屋に入ると、美佐の無限収納にしまっていたバスタオルに身を包んだ二人が立っていた。


「時間軸違うかもだけど元の世界ではもうすぐバレンタインデーだと思うの。旅の途中でチョコレートないか探したんだけど全然無くて。この世界ってチョコレートないんだね。」

「バレンタインデーのチョコなら毎年もらってるから、ほら美樹ちゃんが中学生の時、手作りするって言って…」

「だから今年はこれで許して。」

 とバスタオルを取る二人。


 そこには裸にリボンで肝心な箇所だけを隠した美女二人。


「私たちの気持ち、受け取ってください。」

 俺はつい見とれてしまって何も言葉が出なかった。


「なによ。わたし達じゃ不満だとでも言うの?」

「め、滅相もございません。いつ見ても奇麗で魅力的でついつい見とれてしまいました。」

「じゃぁ、おいしく召し上がれ。」


 :

 :

 :


 結局、俺たちは目的も忘れてもう一泊してしまった。

(目的、忘れてませんよ、女神様。)

この話はノクターン版にはありません。投稿日がバレンタインデーなので今回追加しました。

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