移転の森
「ねぇ、亮太。これからどうしようか。まずはここがどこかなんだけど。」
「多分、人族の町のそばの森だと思う。」
「え?なんで、なんで?」
「切り株があるだろ。こんなふうに木を切って使うのは人族かドワーフだけだ。
オークなんかだと力任せに倒しちゃうんだ。」
「へぇ~。ドワーフとかオークってのもいるだ。」
「それにここ、草を鎌のようなもので刈った跡があるだろ。
おそらく薬草を摘んだんだと思うんだけど、そんなことするのは人族かエルフだけだ。」
「エルフってお兄ちゃんが前に言ってたやつだね。」
「そして人族の町のそばにある森はそんなに大きくない。人族は木を…」
「そこに、そこそこ手入れされている女神様の祠もあるしね。」
「あ、それ早く言ってよ。」
ドヤってしまったじゃないか。女神様ったら定番で森に飛ばしたわけじゃなく自分の飛ばしやすいとこに飛ばしたってわけね。
「くすくす。それにしても亮太、この世界のこと詳しいね。」
「あぁ、その話もしておかないといけないね。実は俺はもともとこの世界にいたんだ…」
…それから俺は一通り転生するまでのことを2人に話した。…
「なんかごめん。言いづらいこと聞いちゃって」
「いや、いいさ。2人には言っておかないといけなかったし。」
「ねぇお兄ちゃん、もしかして私たちにその魅了かけてた?だって、お兄ちゃんに会った瞬間、この人運命の人だ!って感じたんだよ。」
「あ、それ、わたしも感じた。」
「いやいや、おれの魅了はそんな強力なものじゃなかったんだよ。」
「そうなの?」
「たしかに子供のころから会う人会う人に魅了をかけてたけど効果があるのか判らない程度の力しかないんだよ。」
「ほんと~?」
「本当だって。」
「じゃ、信じてあげるからミキに全力で魅了かけてみて。」
「…じゃぁ。魅了!」
「ん~。変わらないね。」
「それは美樹がもうすでに限界まで魅了されてるからよ。」
「うん(笑)」
:
「ママ、泣いてるかなぁ。」
「…」
俺たちは言葉が出なかった。
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