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魔王の王子、転生してウハウハする。(R15版)  作者: しんりゃくしゃ
第二章:元魔族の王子、現代に転生する
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叔父を名乗る男

今回は、荒木圭太(叔父を名乗る男)のターンです。

 おれは子供のころから4歳年上の優秀な兄、雄太と比べられ育った。


 両親は優秀な雄太を可愛がり、おれには常に厳しく当たった。


 雄太は勉強はできるかもしれないが、女一人口説けない情けない男だ。

 なぜあんなへなちょこ野郎と比べられなきゃならないのか?


 当然のごとくおれは不良仲間とつるむようになり、16歳で高校を中退し家を飛び出した。


 16歳で家を飛び出したものの、学歴もない、手に職もない、勤勉さどころか根性すらないただの不良少年にできる仕事は限られていた。


 ぼったくりバーの呼び込みから始め、ホスト、振り込め詐欺の受け子などろくでもない仕事は一通りした。仲間を動員しての政治家の路上演説会の桜や、デモ隊への参加などもやったぜ。


 そんなときに知り合った男に、お前は口が上手いからと紹介され風俗やAVのスカウトを始める。


 同年代の女を騙す仕事はおれに合っていいたようでそれなりに稼げた。


 しかしそれも長く続かない。年を取るにつれ女達と話が合わなくなる。そして警戒されるようになり、なかなか女達を騙せなくなる。


 時を同じくして、振り込め詐欺の受け子時代の元締めが逮捕され、逮捕を逃れたものの職にあぶれた当時の仲間たちがその子分を連れて俺の元に集まってきた。


 おれはそいつらを集め、新な詐欺グループの元締めになる一方で、集めた金を元手に違法風俗店やぼったくりバーの経営を始める。

 なぁ~に。その辺のノウハウや人脈は十分持っている。成功するのは当たり前だった。


 ある日、知り合いのクラブで飲んているときに、おれの店の常連客の男と出会った。


 もちろん、おれの方から客に声をかけるのよなことはしない。

 が、向こうもおれのことを知っていたようで、向こうから声をかけてきて俺たちは意気投合した。


 そして俺たちは何度か飲みに行くようになる。


 なんでも今飛ぶ鳥を落とす勢いの大企業の顧問弁護士をしているらしい。

 その企業の名前を聞くと親父の会社と同じ名前だった。とうの昔に親父は他界しており、兄貴が後を継いで急成長したとか。


 おれは親父の遺産をもらっていない。おれにも相続権があるはずだと憤慨するが、おそらく相続欠格や相続廃除になっているはずだとのこと。

 学のないおれにはよくわからないが、なんとかならないのかと相談すると、あの提案を持ち掛けてきた。



 あとは簡単だった。



 ちくしょう。それにしてもあいつら、ペラペラとしゃべりやがって。


 日ごろから警察や政治家、役人に接待や便宜を図ってお目こぼししてもらってるビジネスも、人の生き死にに纏わる事件が絡むとなると簡単に切り捨てられる。ましてや詐欺グループなど簡単に壊滅させられる。


 くそったれが!やったのはあいつらだ。おれは正当な権利を行使したまでだ!


 サツが絡むとなると日ごろから昵懇(じっこん)にしていた闇社会の連中もあからさまにおれを避けだしやがった。



 あの家は建物は古いが土地は高級住宅地にある。会社の時価総額も目玉が飛び出るような額だ。

 受取人を弁護士に書き換えさせた保険金ももう少しすれば受け取れたんだ。


 あと一歩。保険金にあの家と会社の株を売り払えば、おれは遊んで暮らせる身分になれたんだ。本当にあと一歩だったんだ。

 家の防犯費をけちって警備会社を解約したのが間違いだった。いや、そんなものに金を払えるか!


 あの坊主か、そうだ!あの坊主が防犯カメラの映像を見つけなければ!クソガキが!あのクソガキさえいなければ、いなければ!!

この話はノクターン版にはありません。今回追加しました。

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