新しい生活
行く当てもない俺達だったが、美恵さんの貯蓄でホテル→ウィークリーマンション暮らしを経て、小さなアパートに部屋を借りて暮らし始めた。
1Kのアパートは4人で済むにはかなり手狭だが、家具があるわけでもなく風呂トイレがあるだけでも贅沢は言えない境遇だ。
そして美恵さんは俺のことを「ご主人様」と呼ぶようになった。
全部美恵さんの貯蓄で生活してて、雇えてないんでご主人様じゃないんですけど…
美恵さんは毎日、朝から晩までパートに出た。
美佐・美樹も学校が終わるとバイトを始めた。
美恵さんが働く近くのコンビニでは、美恵さんの美貌と爆乳にオーナーさんがメロメロで浮気を疑うオーナー妻や、オーナー母の監視が厳しいらしい。
そして昼時には弁当を買い求めるために、美恵さん目当てでわざわざこのコンビニに車で乗り付けて来る職人さん達やサラリーマンで大混雑してるとのこと。
美佐は学校が終わると、近所の小さな居酒屋で働いている。
美恵さんもコンビニの夕勤に入れない時はこちらを手伝っており、美人”姉妹”と近所でも大評判だ。
たまに酔っ払いにお尻を触れることもあるらしい。許せない。それをしていいのは俺だけだ。
美樹ちゃんも、学校が終わると夕方からコンビニのバイトに入る。コンビニの事情に詳しいのはそのためだ。
ちなみに、こちらも老若男女を問わず人気らしい。女からもってどうゆう事?
3人とも「ご主人様/亮太/お兄ちゃんは心配しないで勉強頑張って」なんて言ってくれるが、そういうわけにもいかない。
アパートを借りるにしても何するにしても美恵さんに頼りっきりだ。
当然、俺も働く必要があるわけで、俺は家庭教師のバイトを始めた。
曲がりなりにも現役有名大学生なので、家庭教師の紹介所に登録したところ、数件の依頼が来た。
そのうち1件は両親の事故の際、なんとか一命をとりとめた運転手の息子。
1件は父のゴルフ仲間の息子。
あと1件は母の友人の息子だ。
他にもあったが、この3件は両親の縁か特に時給もいい。とてもありがたい。
そう言えば、3人とも昔魅了をかけていたのでそのせいかもしれない。
でも、こういう時って、息子じゃなくそこは娘だろ?
浮気する気はないけどさ。
なんだかんだ言って、毎日、その他の家庭も含め数件の家を訪問していたので、学生にしてはそれなりの稼ぎにはなった。
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