お姉ちゃんには負けない!
桜が舞う春が来た。いつまでも落ち込んではいられない。
俺は美佐と大学に通いだした。学費は両親が生前に納入済みだ。
そして俺たちは大学の空き教室でも、校舎の裏でも、通学電車の中でも、当然家でも美恵さんや美樹ちゃんにばれない様にあの不思議な感覚の研究にいそしんだ。
ある日、珍しく美佐は大学で出来た女友達を買い物に出かけた。
美佐も、ずっと俺にべったりではなく、たまには青春らしきことをしてもいいだろう。
そして相変わらず友達のいない俺は、家で一人勉強をしていた。
「お兄ちゃん♪」
俺の部屋のドアを開けて顔を覗かせる美樹ちゃん。
そういえば、いつのころからか美樹ちゃんは俺を「お兄ちゃん」と呼ぶようになっていた。
(小学生のことから呼んでます。)
「ん?美樹ちゃんどうしたの?」
高2になってますます発育のよくなった美樹ちゃんがノースリーブにホットパンツといったラフな普段着で俺の部屋に入ってきた。
ドアを閉めて、勉強している俺の後ろに立った。
「あのね。ミキ、知ってるんだ。ずっと前からお姉ちゃんとお兄ちゃんがエ〇チなことしてるの。」
俺はあわてて振り返り、
「な、何を言ってるんだい」
ノースリーブの腋からはみ出そうなふくらみが目に入る。いかん。いかん。
美樹ちゃんは、俺の膝に軽く手を当て、
「ミキね、覗いてたの。覗きながら一人でしてたの。ミキ、知ってるんだよ、2人が結ばれた日のことも。」
前かがみになったノースリーブの胸元を何かが押し下げる。
膝の手を降ろさせようとして逆に手を握られる。
「え、いや、あの、美樹ちゃん?」
「ママに言われたくなかったら、ミキにも同じことして。」
俺は美佐を愛している。人族の世界に転生して人族の世界で成長して人族の価値観を身に付けた。
でも、美樹ちゃんもかわいいし大好きだ。
なにより、据え膳食わぬは魔族の恥だという魔族時代の価値観も残っている。
「お兄ちゃん、もっと、お姉ちゃんの時みたいにして!」
夢の様だ…
:
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(ありがとぅ。お兄ちゃん。)
(美樹ちゃん…)
(お兄ちゃん、大好き♡お姉ちゃんが好きでもいいから、私のことも愛して♡)
(美樹ちゃん、俺、自分でも最低だと思うけど、美樹ちゃんも大好きだ♡)
「え?なにこれ?」「あ、まただ…」
あ、美佐の時と同じだ。俺のものとは違う感覚を感じる。
美樹ちゃんの鼓動の中に、痛みとともに幸せな感情の様ななものが伝わってくる。
そして美樹ちゃんの快感やいろんなものが押し寄せた…
ガチャ
その時、俺の部屋のドアが開いた。そこには美佐が立っていた。
ちなみに今時の大学の学費って4年分一括納入できるんでしょうか?
話の都合上、できることにしておいてください。
さて、Let's修羅場!