両親の突然の死
一度経験した若い2人は歯止めが効かない。毎日、猿のように交わった。
手をつなぐだけで言葉を交わさなくても、なんとなく思いが伝わる。回数を重ねるごとに不思議な感覚が強くなる。
そして、ちょっと魔族の前世が顔を覗かせる。
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魔の精剛と子供の頃から鍛えたMPのおかげで回数をこなせるため、ついつい美佐にはかなり負担をかけてしまったが、美佐も拒まない。俺は調子に乗っていた。
そんな大学進学を控えた春休み、突然の知らせが舞い込む。
「おぼっちゃま、大変です!!旦那様、奥様が交通事故に遭われたそうです!!」
俺達は大急ぎで病院に駆けつけた。
ピーーーー
間に合わなかった。
2人とも息を引き取った後だった。
両親はいつもの会社の運転手が運転する車に乗って出勤する途中だった。
現場検証の結果、車の整備不良によるブレーキ不良だと刑事に告げられた。
涙がとまらない。前世の父が死んでも涙がでたのだろうか?
美佐・美樹も号泣している。
その日は、3人で美恵さんの豊かな胸の中で涙が枯れるまで泣いた。
美恵さんも美佐・美樹も、みんなが悲しみに暮れるなか、葬儀の準備やら諸々の手続きやらなんやらを手伝ってくれた。
そんなこんなで何とか葬儀をすませた後、家に会社の顧問弁護士がやって来た。
「社長から相続の手続きをまかされています。」
俺はなにも考えられず、すべてをその弁護士にまかせた。
「ほう、なかなかかわいらしいメイドがいるじゃないか?ぐびびびび」
「きゃっ!」
そこに父の葬儀に出席してなかった初めて見る男が突然現れ、美樹の尻を触る。
「やめてください!誰ですかあなたは!」
「やぁ、はじめましてだね。私は君のお父さんの弟、つまり君のおじさんだよ。私のことは聞いてないかい?ぐびびびび」
父に弟がいるなんて聞いた事がないが、戸籍のコピーを見せられる。
荒木 圭太 【続柄】次男
「私もこの家で育ったんだよ。ぐびびびび。この家も久しぶりだ。随分ボロくなっちまったな。ぐびびびび。」
弁護士が言う。
「未成年者が相続するには代理人が必要です。社長に弟さんがいらっしゃったのであれば、弟さんに代理人になってもらいましょう。」
成人年齢引き下げ前と言うことでお願いします。
明日は美樹ちゃんターン!
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