幼稚園時代
出会ったばかりだが子供同士はすぐに仲良くなれる。
美佐「おぼっちゃま!おままごとしよ!」
美樹「おぼーちゃま!みきもみきも!」
美佐「おぼっちゃま!みさがお母さんね。!」
美樹「おぼーちゃま!みきがパパね。!」
えっと俺は?…そうですか、赤ちゃんですか…って、どんな羞恥プレイだ。
目覚めちゃったらどうしてくれる?
美佐「おぼっちゃま!お医者様ごっこしよ!」
美樹「おぼーちゃま!みきもみきも!」
美佐「おぼっちゃま!みさがお医者さんね。!」
美樹「おぼーちゃま!みきが看護師さんね。!」
えっと俺は?…そうですか、患者さんですか…。え?本当に脱ぐの?
お互い大人になってからもう一度やりませんか?
美佐「おぼっちゃま!かくれんぼしよ!」
「じゃんけんぽん!」
「じゃぁ、みさが鬼ね。いーち。にーい。さーん・・・」
あ、隠れなきゃ。おろおろ。
「いくよ~」
パタパタパタ。美佐ちゃんの声と足が響き渡る。
「あ、美恵さん。隠れるところないですか?」
「え?あ、鬼ごっこ?じゃあここへ。」とメイド服のスカートの中に俺を招き入れる。
でへへ。
あれ?上を見上げるが真っ暗で何も見えない。
せめて頬に当たるふとももの感触だけでも味合わせてもらおう。
でへへ。
「お母さん、おぼっちゃまとみき知らない?」
み、美恵さん…俺の頭を挟みこむ力が強くなってます。
い、痛い…。苦しい…。
「し、知らないわよ。」
「さがしてくる~」パタパタパタ。
「お、おぼっちゃま、み、美佐は、美佐はもう行きましたから、で、出てきてください。」
はぁ、はぁ、危なく落ちるところだった。
「はぁ、はぁ、はぁ。」美恵さんまで肩で息してるのは何故?
それにしても美佐ちゃんは新年度から同じ幼稚園に通うというのに、『おぼっちゃま』はまずいな。
美恵さんがそう呼ぶから真似してるんだろうけど。周りに変な目で見られてしまう。
「美佐ちゃん、外では『おぼっちゃま』はダメだからね。美樹ちゃんもだよ。」
美佐「はい。おぼっちゃま」
美樹「はい。おぼーちゃま」
大丈夫なんだろうか?
そんな心配をしながらも美佐ちゃんと一緒に幼稚園に通う生活が始まったのだが、初日から美佐ちゃんが盛大にやらかした。
「おぼっちゃま~こちらであそびましょぉ~」
「美佐ちゃん、おぼっちゃまはダメって言ったよね。」
「じゃぁ、りょうたさま~りょうたさま~絵本読んでぇ~」
なんで同じ年の俺が読む側なんだ?ってのも気になるが、亮太”さま”もダメだろ。
「美佐ちゃん、いいかい。外では亮太か亮太くんって呼びなさい。」
「えぇ~、でもそれじゃママに怒られちゃう。」
「いいから。」
「でも~」
「美恵さんにも言っとくからいいね。」
「う、うん。りょ、りょうたくんっ」照れながら返事する美佐。
なぜそこで照れるのか?よくわからない。
とりあえず、俺には友達ができなくなった。
そりゃそうさ『おぼっちゃま』や『りょうたさま』なんて呼ぶ美少女が付きまとっているんだ。
どんな家庭環境なんだってなるよね。
まぁ、いいさ。
魔族の頃は友達なんて呼べそうなのは孫娘のアリッサくらいしかいなかったし、そのアリッサにも裏切られたし…。友達なんて糞くらえだ。
魔族はさみしいなんて感情は持ってないんだ!
朝も投稿してみました。
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