元魔族の王子の転生
ここはどこだ?目はうっすらしか見えない。
声も思ったようにでない。
手も足も思い通りに動かない。
俺のまわりに人族だと思われる人間がいる。
言葉が聴こえるが、何を言っているのか判らない。どこの言葉だ?
俺は赤ん坊なのか?
噂に聞く転生ってやつだろうか?
「亮太っ」「亮太っ」
母親らしき人物の柔らかい胸に抱かれている。かなり心地よい。
かつて魔人戦争で活躍した人族の英雄は、異世界の日本という国から移転してきた者だという。
女神に強力なスキルを与えられ、活躍したとの言い伝えだ。
しかし俺は神や女神にあった記憶はない。どうなってるんだろうか?
それにしても腹が減った。「おぎゃー!おぎゃー!」
「はいはい、ミルクですよ。」
なんだこの瓶は?ミルクか?おい、俺は母乳の方がいいぞ!!母乳をよこせ!
ステータスは見れない。
試しに魅了を発動しようとするとそのまま昏睡してしまった。どうやら基本ステータスが大幅に下がっている様だ。
少なくともスキルが発動しようとした感触はあるのでスキルはなくなってないと思う。
そう言えば、幼児期のステータスは上がりやすいとか勇者が言ってたな。
特に目的はないが、この先何があるかわからない。基本ステータスは伸ばしておいた方がいい。
スキルの違いが決定的な差ではないということを教えてやる!誰にかは知らないが。
しばらくはHPを発動失敗するまでMPに変換して、とりあえず父母、その他、父の会社の父をいつも送り迎えをしてる車の運転手、父のゴルフ仲間だろうが母の友達だろうが、出会った人族に片っ端から昏睡するまで魅了をかけた。
俺の魅了は効果が小さすぎて効果があるのかわからないが目的はそれじゃない。基本ステータスを伸ばすことだ。
それにしても、この人族たちは何を言ってるのだろう?
「うわー、なんてかわいい赤ちゃんなのかしら。」
「赤ちゃんはかわいいものだけど、この子は特にかわいいな。」
「それにしてもおとなしい子だな。」
「そうなの、一度寝ると朝までまったく起きなくて夜泣き知らずよ。それにお腹すいた時とおねしょした時くらいしか泣かないの。」
「とてもいい子ね。」
「そうでしょ。うふふ。」
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'22/1/14 6:00に2話目を挿入していますが、あとで出てきますので読み直す必要はありません。