次期魔王選出
「あらリード、なんだ。生きてたのね。」
それが俺が魔王城に帰還した際のアリッサの第一声だ。
帰還してからリードは、毎日アリッサを相手にMP消費を、また離宮郊外の森で一人HP消費を続けた。
そんな日々を過ごし訪れた次の闇の日、リードとアランは謁見の間にて魔王である父や宰相、有力貴族たちに取り囲まれていた。
ザワザワ
「次の魔王はアラン様に決まっている。」
「いやいや、まだわからんぞ。」
「リード様に勝ち目はないだろ。」
ザワザワ
魔王「ステータスを見る魔道具に手をかざせ。」
魔王の側近が大事そうに魔道具の水晶を持ってくる。
リード、アランともに子供の頃にステータスを確認させられた魔道具である。そのステータスは魔道具の所有者である魔王にしか見えない。
アランは「今さらそのようなことをしなくても」と半笑いで水晶に手をかざした。
水晶がひと輝きし、そこに表示されたステータスを魔王は読み取る。
名前:アラン 種族:魔族
・HP:193
・MP: 76
スキル:
・魔の精剛
・斧術 レベル 3
・闇魔法 レベル 1
・瞬発力強化 レベル 1
魔王「次はリードだ」
続けてリードも魔道具に手をかざす。
またも水晶がひと輝きし、そこに表示されたステータスを魔王は読み取る。
名前:リード 種族:魔族
・HP:162
・MP:304
スキル:
・魔の精剛
・魅了
・MP・HP変換 レベル 2
魔王「ほう、リード、随分努力したようだな。次期魔王はリードとする。」
集まった貴族たちがざわめく。
「はっ!まだまだ未熟ではございますが、ありがたく拝命いたします。」
リードが片膝をつき頭を下げると同時に、アランが叫ぶ
「ちょ、ちょっとお待ちください。奴は戦闘系のスキルを持ってないはずです。そのようなものに魔王はふさわしくありません。次期魔王にふさわしいのは私では!!」
「黙れ!これは決定事項である。」
「くっ…」アランは反論できなかった。
こうして、リードは次期魔王に選出された。
次回は、魔族の王子の死です。転生までもう少しだ!!
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