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第二章 四十三




『相棒……』


「……決めた」


 横で心配げに見据えるゼノンに、強く心に決めた清神翼は頷く。


「俺は、行くことにするよ」


『そうか……。さっきまでの意見を一転させてすまねぇな……』


 ゼノンは申し訳なさげに言葉を紡ぐ。


『一夜漬けで頭が良くなることもなければそんなことしている時間もない。頭を働かせない分は躯を使えばいいが、自分で自分の躯を自由に動かないときたもんだからな。オレに自由に動ける手足があればいいとこれまで何度も後悔したが、相棒や他の人間たちを巻き込まれないような上手い策を思いつくような頭があればと自らの頭の悪さを呪ったことはなかった……』


 もう少し学舎で真面目にしとくんだったよ……とゼノンは嘆きながら、言葉を続ける。


『ルインの敷いたレールの上を歩くのは不本意だが、かけがえのないものを護るためには誰かの手が必要だ……。オレを扱えるのは、正式の継承者であるシルベットと相棒だ。相棒はつい最近、異世界のことを知った身な上で、剣なんて振ったことはないだろ。無理はするな。ファーブニルのオルム・ドレキをシルベットたちがいる〈錬成異空間〉へ誘い込んで、隙を見てオレをシルベットに渡せ。あとは、何とか──』


「──いや、大丈夫」


 ゼノンの言葉を翼は遮った。


「俺は、戦いに行くわけじゃないから」


「どういう意味だ?」


 翼の“戦いに行くわけじゃない”という言葉の意図に、ゼノンが測りかねていると、翼はその意図を伝えると、ゼノンは笑った。


『なるほどな。この世界線の人間ならではの考え方だな。だが、翼もわかるだろう。相手が乗るかどうかもわからない。乗ってきたとしても、彼奴が開戦した世界線戦は止まるとは限られないんだぞ』


「わかっている。ルイン・ラルゴルス・リユニオンがこの話に乗ってくるとは思わないし、乗ってきたとしても、好みの英雄譚ではないと弾かれるかもしれない。けど……彼の話しの内容を聞くかぎりでは、俺とシルベットが関わっていて、自分の予測を裏切る英雄譚となるのなら大丈夫な気もするんだ」


『ああ。それもその通りだが……相棒が考えているほど、アイツは単純じゃねぇよ。あくまでも、相棒とシルベットが世界線戦で英雄になることだ。英雄させてどうするかわからないが、恐らく最終決戦でラスボスとして待ち受けるつもりだ』


「それはつまり、世界線戦を開戦して、その中で勝ち抜いて自分に挑んでくる英雄と戦いたいということ?」


『ああ。だが、勝つにせよ負けるにせよ、負けた世界線は破壊するつもりだ。これまで彼奴はそんなことで複数の世界線を弄び、好みとは削ぐあわない世界線を破壊していたことから、考えられることだ。単純に、英雄譚という夢見ているんだろうな。神のくせに幼稚だなアイツは……。神界の連中は大抵のことが予知・予測がついてしまうからな。そんな世の中で飽き飽きしているんだろう。そんなところに、違う世界線の男女が出会うことで生まれる予想外を楽しもうとしているのだろうな。実例があるからな』


「実例?」


『水無月龍臣とシルウィーン・リンドブリムの結婚だ。アイツらは神界では、異世界としての出逢いとして認識していたようだが、予想外の事態から恋愛に発展して、縁を結んだ。神界では二人は結婚することは予測していなかった。それはある神格ある女神が介入したとされている』


《ひるめさまっ》


 いつの間にか横にいたアリエルが手を上げて元気よく言った。


『ひるめさまか。アリエル、教えてくれてありがとうな。名は知らなかったから助かったぜ』


 ゼノンは、鍔に取り付けられた龍の頭を金属音を鳴り響かせアリエルに向けて下げた。ゼノンから礼を言われて、アリエルは嬉しそうに喜んだ。


『ひるめさまは、龍臣の故郷で玉藻前と一緒に奉っている神らしく、それ以上のことは、オレは知らされていないし、わからねぇ。実例として、水無月龍臣とシルウィーン・リンドブリムの出逢いは神界の予測の範疇にあって、それを恋として縁を結んだ人間界の女神がいて、それが神界の予測とは違った方向として動き出したことに、ルイン・ラルゴルス・リユニオンが目を付けてもおかしくはない』


「神界の予測とは違った方向ということは、水無月龍臣さんとシルウィーンさんの出逢いって、神界の予測だと、どうなっていたんだろう?」


「単なる異世界交流程度だとファーブニルのオルム・ドレキが漏らしたのを聞いたことがある。シルウィーンは元々、ミハエルという前夫がいたことは聞いたことがあるだろ?」


「水無月龍臣さんから大体は……」


 清神翼はさっき思い出せた記憶を思い起こして頷く。


「ミハエルは、どうやら神──ルイン・ラルゴルス・リユニオンとルシアスが造り出した邪神によって、惨殺されたようなんだ。例外はいるが、神は同じ神が起こす事象を予知できないからな。ルイン・ラルゴルス・リユニオンという神、その息子であるルシアスも神の子だ。そして、彼等から生み出された邪神は、神界の神からは予測できないといえる。それによって、シルウィーンは未亡人となり、それがきっかけで元々仲が悪かった父との関係がひび割れた。それにより家出、人間界に再び訪れた時に水無月龍臣と出逢い、次第に惹かれ合い、再婚したというわけだ。ルイン・ラルゴルス・リユニオンは、かなり前から相棒とシルベットが出逢うことを予測していた。水無月龍臣が懇意する神社で祀られているがひるめさまという縁結びだった女神だったこと。玉藻前や神界の連中には気に入られる性質の人間だったことも考えられることから、元々シルウィーンに憧れを抱いていた水無月龍臣とシルウィーンが結ばれる可能性を見出していたからだろう」


 翼はルイン・ラルゴルス・リユニオンが清神家を訪れた際の発言を思い返す。


 “私にはあらゆる世界線の過去、現在、未来を視ることができる。その能力を〈予視〉と呼ぼう。三千年前から未来を〈予視〉し、適任者を探していた。その中で、君が奇数な人生を歩むことを視たのだ”


 “奇数な人生とは、偶然にも異世界人である少女──シルベットと出会う光景が見えたのだ。君とシルベットは私が手を加えるよりも前に決められた邂逅なのだよ。ただ当初は、もう少しマイルドな邂逅であったことだけは教えておこう。私がもう少しスパイスを利かせ、面白くさせたいだけだが”


『ルイン・ラルゴルス・リユニオンの発言を考えるのならば、相棒とシルベットは規定路線だ。元から相棒とシルベットは出逢っていたと言われている。ミハエルとシルウィーンの子としてな』


「それじゃ」


『ああ。相棒とシルベットの出逢い、恋に落ちることは神界でも予知していた規定路線だ。それに余計なことを運命として辿らせようとしているのは、他ならないルイン・ラルゴルス・リユニオンだ。だから、翼がしょうとしていることに乗ってくるかどうかは、今のところは彼奴の好み次第だ』


 それでもやるか? とゼノンは翼に問うと、少し考えてから彼は口を開いた。


「そこまで予測しているのなら、俺がさっき言ったことをしてくるとわかっている可能性はあるということだよね?」


『かもな。ルインのみぞ知るということだから何とも言えないが可能性は少なからずある』


「だとしても、状況を少しでも考えられるのならば、やった方がいいと俺は思う」


『そっか。オレは相棒に従うぜ』


 ゼノンは、爬虫類型の口端を上げた。


『一か八かの賭けだ。アレが好めばいいが、全世界線を巻き込んで戦争を開戦する輩だ。望みは薄いだろう。彼の好みだったら、被害は最小限で済むがな。でも、本当にいいのか? それだと、相棒が巻き込まれることには変わりねえぞ』


「そうだね。確実に巻き込まれるね。出来れば、巻き込まれたくないんだけど……一時しのぎで回避したところで、結局はルイン・ラルゴルス・リユニオンが無理矢理にでも世界線戦に引き込んで来そうな気がするんだ」


『そうだな。ルイン・ラルゴルス・リユニオンという奴は、自分が興味があるものに対して粘着質な野郎であることに変わりはないな。そこはファーブニルのオルム・ドレキに似ていて、オレが苦手だ。どのみち、世界線戦に関わらせようとすることには変わりはない。最初は無視して、頑として参戦しないつもりだったが、【創世敬団ジェネシス】がハトラレ・アローラやあらゆる世界線に撒いたビラに、オレの居場所をご丁寧にも記されていたらしい。それをファーブニルのオルム・ドレキが』


「そういえば、ゼノンはさっきまで参戦しない意見だったけど、それを曲げて俺に戦えといった理由って」


『ルイン・ラルゴルス・リユニオンが本格的に目の前に現れて、何か仕掛けてくるんじゃないかと思ったからだ。それで相棒に戦うか戦わないかの選択させようとした。案の定、ファーブニルのオルム・ドレキが出てくると聞いたからな』


「それで、戦わないといったらどうするつもりだったの?」


『こんなオレでも〈結界〉は張れるさ。それで籠城して、誰かが救援に来るのを待つつもりだった。そんな一か八かの賭けは、翼のした選択とあまり変わらないな』


「俺としては、あまりに話しが大きすぎて、最近世界線の存在を知った俺では生きている限り回避することは出来ないと感じているだけで。こうなれば、というヤケクソとも思える気持ちからの選択だよ」


 だからゼノンとの考えとあまり変わらない、清神翼は苦笑する。


「これまで精一杯、龍臣さんたちが俺たちを巻き込まれないようにいろいろとしてきて悪いんだけどね。でも、一度はシルベットと少し話し合いたい。ルイン・ラルゴルス・リユニオンと会う前に、話しとかないと、どうしてもシルベットを巻き込んじゃうから」


『そうか。なら、〈錬成異空間〉を開く時は、なるべくシルベットに近いところに入口を開くようにオレが調整しておくぜ』


「ありがとう」


 翼はゼノンに微笑みながら礼を言った時。


 清神宅のチャイムが鳴った。


 翼とゼノンは向き直る。側にいたアリエルが、玄関に向けて指をさすと、頭に直接響く声で言った。


《りゅうにばけたこびとさんがきたよ。あと、家の回りに七人いるから気をつけて》


 彼女の言葉に、二人は状況を理解した。


【来たな……】


 ゼノンはアリエルと同じように、翼に頭に直接声を送る。


【今から言うことに首を振って、イエスかノーかを答えろよ】


 翼は首を縦に振る。


【よしよし。んじゃあ、ファーブニルのオルム・ドレキらを〈錬成異空間〉におびき寄せるためにギリギリまで引き付ける。引き付けることにより、追いかけやすくするためだ。だから、わざわざ痕跡を残す】


 翼はまた首を縦に振る。


【アリエルが家の回りといった辺りから出入口は、塞がれているだろう。妹や友人たちがいる家の中に突入されては相棒は気が気ではないだろうから、わざわざ庭先に飛び出して姿を見せて、そのまま〈錬成異空間〉に入ろうと思うが脚力に自信はあるか?】


 翼は少し考え込む。


 遅くはない方だが、亜人から比較すれば遅いにあたるかもしれない。身体能力が人間より高い亜人から脚力だけで逃げ切る自信は正直ない。


 翼は自信なさげに首を横に振る。


【よし、わかった。ギリギリで引き付けるのは無しだ。痕跡を消さない上で、全速力で〈錬成異空間〉に飛び込め】


 そうして、翼は玄関先にいるファーブニルのオルム・ドレキたちに見つからないように、アリエルに靴を持ってこさせて、リビングで履き替えると、ファーブニルのオルム・ドレキらの動向を探っていたアリエルの合図と共に、全速力でベランダの窓を開き、飛び出した。


 延長線上に、ゼノンが魔力を行使し、魔方陣が展開する。


 庭先を見張っていた憲兵たちが逃がすまいと、屋根から降り立とうと夏の夜空に跳躍。


 延長線上に立たせまいと、アリエルがベランダから魔方陣までに〈結界〉を張った。それは、レースのカーテンを思わせる細かい網状をしており、黄金の光りを放っている。


 着地地点に〈結界〉を張られた憲兵は、構わず降下していく。先頭の三人がアリエルの〈結界〉に着地した途端、網状の〈結界〉から糸状のものが幾つもが現れ、体にまとわりつき、ぐるぐる巻きにしていく。


 あっという間に身動きが取れなくなってしまい、蜘蛛の巣に捕まった虫のように糸を振りほどこうともがく憲兵たち。翼はその下を、構わず駆け抜ける。


 危機を感じて上昇し回避したする憲兵たちが、翼が向かう魔方陣が〈転移〉であることを見抜き、先回りしょうと転移先の特定をする。特定には、時間はかからなかった。


 残った四人の憲兵は、翼が転移する場所──〈錬成異空間〉に向けて、術式を開く。


 魔方陣に先に飛び込んだのは、三秒ほど翼が早かった。


 魔方陣を潜り抜けると、そこは──


 一万三千メートルの空の世界であった。


「えっ……ちょ、ちょっと! 空、何ですけどぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお──ッ!?」


 凄まじい風が、身に纏った服や頬の肉をバサバサブルブルとはためかせて、翼は全速力で走った勢いのまま、上空に投げ出された。シルベットと学校に侵入した際に、空を飛んだ時よりも失禁してしまいそうな浮遊感に、絶叫。


「ぎゃああああああああああああああああああ──ッ!?」


 突然、空中に投げ出されて混乱する翼にゼノンは落ち着くように伝える。


【相棒、落ち着け! 今のお前にはオレがついているぞ! 現在の相棒には、オレの継承者の特権といえる加護が発動している。それにより、大気が薄い空中に投げ出されたとしても息は吸えているはずだ! それにより身体にかかっていた重力と浮遊感も和らいでいるはずだぞ! ただ落下していることには変わりはない。風圧も多少なりとも吹き付けてくるのは、魔力容量的に難しいから勘弁だ。それでも寒さは抑えているから加護がないよりはマシだと思うぞ】


 ゼノンの声が混乱していた頭に響き、翼は不思議と冷静になっていった。


 翼が落ち着いていくのを感じたゼノンは続けて声を頭に響かせる。


【よし! 落ち着いたな。まずは体を少しずつ安定させるんだ! 地上までは距離があるんだ、すぐに地面に叩き落とされるわけじゃないんだからな】


 翼は、上下左右とぐるぐると回っていた体を安定させるために、ゆっくりと真っ直ぐに伸ばす。そして、手足を突っ張って、何とか不慣れながらも空中で安定させる。


【いいぞ! じゃあ、次は下にいる銀のお嬢ちゃんを見つけるんだ!】


 翼は、ぶれまくる視界の中で少女の姿を捉える。その瞬間、彼女と目が合った。


 翼は思いっきり声を張り上げて彼女の名を呼ぶ。




「シぃぃぃルぅぅぅベぇぇえットぉぉぉぉぉぉぉぉぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉ────ッ!!」




 シルベットは、背中の双翼を翻して、清神翼へと向かった。


 清神翼とシルベットの間を隔ているのは、神域の壁である。


 その壁を越えられないと、シルベットが翼と接触できない。神域の存在に気づいたゼノンは、翼に指示を出す。


【シルベットが神域の壁の中にいる! オレを構えて、真向から降り下ろせ!】


「えっ?」


 清神翼は驚きの声を漏らす。それもそのはずだ。彼の目には、神域なるものが見えておらず、わからないのだから。


 そんな彼の目に、ゼノンは術式を施す。


 すると、シルベットの周囲に大きな薄い幕が張られているのが視界に捉えた。


【これ以上、四の五の言っている暇はねぇ! ただオレをあの透明な壁に向かって降り下ろせばいい!】


「……わ、わかったっ……」


 言われるままに、清神翼は不慣れな体勢ながらもゼノンを頭の上に構える。少しずつ近づいていき、その薄い幕が広範囲に及んでいることがわかった。ちょっとしたビルがすっぽり入れそうなくらい大きい。


 神域なるものがゼノンによって、果たして破壊出来るかどうか、不安はあったが、翼は落下していく重力を利用して、ゼノンを握る手に力を込める。


 勝負は、一瞬。好機は、神域の壁が眼前に迫る直前、刀身が届く間合いに入った時だ。


 清神翼は剣道を習ったことはない。忘却されていた記憶の中に、一度くらい剣を振るった記憶があったが、それを経験として入るかどうか怪しい。少なくとも、それから剣術に興味があって、剣道部に入部したとしたら、自信は少しくらい付いていただろう。家族旅行で行った日光江戸村で一度だけレプリカを触って遊んだことは何となくは覚えているが、本物の刀剣を握り、空中で明らかに不可思議な力で作られている透明な壁を斬る自信とならない。


 現代の日本で本物の刀剣を握る機会などない上に、剣術に触れ合うこともない“ど”が付く素人である清神翼は、足場のない不安定な空中での一閃を放たなければならないプレッシャーは、これまで経験したこともなく、重くのしかかる。


 嫌でも悪い想像をしてしまうが、翼は首を横に振って、それを振り払う。


 その時機は、一瞬だった。


 神域が眼前十五メートルに差し迫った時。


【今だ!】


 ゼノンの声が頭の中で響いた。翼は少し遅れて、剣を振るった。


「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ──ッ!」


 剣を持つ腕にかかる風圧を力一杯に抗い振るった。


 神域にゼノンの刀身による縦一線が入る。それを起点に、神域に蜘蛛の巣状の亀裂がバキバキと広がっていく。


 翼は剣の扱いに不慣れで、空中という悪状況での一閃ということにより、ゼノンは号令をする時機を早くしたことが功を奏し、神域に真向に傷を与え、蜘蛛の巣状の亀裂が入った。


 そこに──


「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ──ッ!」


 神域内にいたシルベットの裂帛の一閃が叩き込まれる。


 翼が入れた亀裂に、シルベットの一閃が入ったことにより、ギンッ! という音を立てて、神域は破壊された。




      ◇




 〈錬成異空間〉に突如として現れた人間の少年と半龍半人の少女が神域を破壊したのを見て、ルイン・ラルゴルス・リユニオンは愉快げに口端を上げた。


 ──本来よりも遅くはなったが、問題はない。


 ──これからが本番だ。


 ──私を存分と楽しませたまえよ。




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