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王国-Lighlame-
また、しばらくの沈黙が続いた。
どちらが先に歩きだしただろうか。
俺自身は道を知らないはずだが、ユトと同化したからか、既にその国への道を知っていた。
「…」
「…」
*
「あ、見えてきましたね…」
「あれが、私たちの故郷、リグレイム国です。」
まだ、声は暗かった。同時に、その暗さを隠そうとしている声であった。
「ああ、あれが…」
*
彼女の「事故による調査の失敗」報告は、俺の王への謁見の直前に行われた。
彼もまた、深く、悲しんでいる様子であった。
しかし、さすがは一国の王なだけあり、俺が王の部屋に入った時には既に威風堂々たる姿をとっていた。