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039 ランマル無双



メタル化したエンペラークラーケンの体はアシェルの剣やジュリアの鞭攻撃でも一切傷つかなかった。

動きはだいぶ鈍くなっているが、グレッタの魔法攻撃もその体には何の影響もなかった。


「ちっ!!久しぶりに楽しませてくれるねぇ!!アイシクル・ブリザード!!!」


ジュリアが氷魔法を放った。

鋭い切っ先を持った無数の氷が乱れ撃ちのごとくエンペラークラーケンを襲う。

だがエンペラークラーケンは口を大きく開けると、その殆どの氷を飲み込んだ。

ばりぼりと美味しそうに租借音が響く。


「あー!!食べちゃったぁ!!何考えてんのよぉ!!!」


地団駄を踏むジュリア。

氷が効かないなら、とアシェルは剣を掲げた。


「クリムゾン・スネーク!!!」


炎がまるで蛇のようにエンペラークラーケンを包んだ。

エンペラークラーケンは即座に海の水で消そうとするが、炎は消えなかった。


「俺の炎は俺自身でしか消す事はできん!ただの海の水で消せると思うな!」


メタル化の体だが、この炎の魔法は強力だ。

エンペラークラーケンは悲鳴を上げながら、また口を大きく開いた。

するとその口から先ほどジュリアが放った氷魔法と同じ鋭い氷が船を襲った。


「あー!アタシの魔法をパクったぁ!!!」

「どうやら体内に摂取した魔法をそのまま自分の技として放てるようですわねっ」


船はグレッタの結界で無事だったが、ジュリアは頬を膨らませ怒った。


「アシェル!!そんな奴黒コゲの真っ黒黒助にして海の藻屑にしちゃってよぉ!!!」


アシェルは言われるまでもなくそのつもりだった。

だがレベルSのエンペラークラーケンは今だに炎に包まれながらも倒れる様子はなかった。

と、アシェルの横を何かが通りすぎる。


「!?」



「いい加減暴れるのはやめろ・・・イカめ」



ドッゴオオオオオオオオオオオオオオ!!!!!!



ランマルは振り上げた足で思いっきりエンペラークラーケンに踵落としを入れた。

それは酷く重たい一撃で、エンペラークラーケンの頭部、王冠のような形をした頭は見事にひしゃげた。

あまりの光景に、アシェル達は茫然とする。

勿論ユイも。


すかさずランマルは、ユイから貰った薬瓶をエンペラークラーケンの口の中に放り込んだ。


「効くぞ・・・これは・・」


ランマルはマフラーの下に隠した口元をにやりと吊り上げた。

滅多にないランマルの笑みだった。


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