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037 レッドクラーケンの進化



ざばあああああああ!!!!!


「えええええ!?!?何何何!?」


海から何かが現れた衝撃で大きな波が起きて、船は大きく揺れた。

ひ、ひっくり返るんじゃないの!?


「くっそおおおおおおお!!!!!!


モニカは舵を大きく回して、大きな波を逆に利用し何とか船の転落を阻止する事に成功した。

彼女は自分の食う分は自分で採って食う!がモットーなので、仕事の休憩時間にさっと船を出して魚やら貝をあっという間に採ってくる。

その船の操作はギルドでも一位だった。



「た、助かった・・・」


船ひっくり返らなくて良かった~・・・。

って・・・・。


「な、何・・・あれ・・・・・」


見上げる先。

それはさっき倒したレッドクラーケン・・・・ではなかった。

レッドクラーケンによく似ているけれど、それよりももっと大きく・・目は三つに増えて、気持ちの悪い無数の牙が口に生えていた。

しかも体はむきっと筋肉が付いて・・・頭部が何か、王冠みたいな形になってる。


「なっまさか・・・!!!」

「エンペラークラーケンに進化した・・!?」


グレッタさんとジュリアさんが驚きの声を上げる。


「エンペラークラーケン!?レベルSの魔物じゃねーか!??」


レベルS!?

モニカさんそれ本当ですか!?

流石にこの流れだと私も理解できる!

Sって事はAよりも上って事でしょ?!

つまり、レッドクラーケンはとんでもない事になったんでしょーーー!?

最悪だあああああ!!!!



「面白い事になったじゃ~ん~♡」

「久しぶりのレベルSですわね・・・腕が鳴りますわ」


え、ジュリアさん何か嬉しそう・・。

グレッタさんも笑顔が黒い・・。


でも、アシェルさんは真剣な顔のまま。

あ、ランマルもだ・・。


「油断するなジュリア!グレッタ!!」

「「!」」


アシェルさんがそう叫んだ瞬間、私の視界は真っ暗になった。




ギシャアアアアアアアアアア!!!!!!




エンペラークラーケンは甲高い鳴き声を上げた。

その鳴き声は『超音威嚇』というスキルの一つだった。

この威力は相手の体力や魔力を低下させる効果があり、超音波作用もありダメージを同時に与える事が可能だった。

近くを飛んでいた鳥が頭が潰れ、何羽も絶命した。



「・・・・・・・・はぁ・・・危機一髪でしたわ・・」


グレッタの持つ杖が青白い光を纏っている。

咄嗟に船全体に結界を張ったお陰で、超音波による船の崩壊も免れた。


「ちっ・・・でもちょっとだけ魔力低下しちゃったよぉ~。このお返しはたっぷりさせてもらうからねぇ~!」


悔しそうにジュリアは鞭をびしっと鳴らし、エンペラークラーケンを睨んだ。




「・・・・・・・・・・・ユイ、大丈夫か?」

「う・・・・うん・・・」


視界が真っ暗になったと思えば、それはランマルの胸に顔を押し付けられたからだった。


「耳は・・痛めてないか・・?耳の良いお前は今の攻撃は危なかったはず・・・」

「あ、う、うん・・全然平気・・」


あの叫び声の瞬間、ランマルは私を抱きすくめて、私の本来の耳が隠れている帽子を強く手で抑えつけた。

そもそもカムイノクニの衣服はとても丈夫で、滅多な事では破けない。

そんじょそこらの魔物の攻撃や魔法も効かない作りになっていると、ツキト様が言っていた。

この帽子もそれと同じで、今のエンペラークラーケンの音波から、私の耳を守ってくれた。

もし帽子がなかったら、私の鼓膜は破れていたに違いない。


「(でもランマル・・・私の事、守ろうとしてくれたんだ・・)」


いつもの怖い目が、何か優しく見えるような気がした。



「・・・・・・・・」


アシェルはそんな二人をじっと見つめた。


「(・・・・・あの二人・・・・・・もしや・・)」


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