036 『鋼鉄の魂』の実力
いやいやいやいや!!!!
想像以上にレッドクラーケンでかあああああ!!!!
何これ、船と比べるとでかさ半端ない!!
この船飲み込んじゃうくらいでかいよおおおおお!!!
私は必死に船にしがみ付いて、海に落ちないようにした。
レッドクラーケンは赤くて緑色の斑点が付いた気味の悪い魔物だった。
「グレッタ、奴の動きを止めろ。ジュリアはサポートを頼む」
「OK~!」
「分かりましたわ」
とん、とグレッタさんが杖で床を叩くとグレッタさんを中心に光の円陣の模様が浮かんだ。
魔法陣だ。
「我らを省くむモノを捕らえよ。『エクレール・チェーン』」
グレッタさんの杖が光り輝いて、その光は無数の鎖に代わってあっという間にレッドクラーケンを縛り上げた!
おお凄い!
「ってきたきたきた!!!!」
手なのか足なのか分からないけど、レッドクラーケンの何本もある手足が船に向かって勢いよく振り下ろされた。
ドガ!!!!!
・・・それをランマルが蹴り一つで押しのけた・・。
レッドクラーケンは仰け反って倒れそうになるけど何とか堪えた。
「へぇ~やるじゃーん~」
ジュリアさんはランマルを褒めると、軽やかな動きでレッドクラーケンへとジャンプした。
「おいたは駄目だよぉ~!!」
ジュリアさんの鞭はまるで自我を持っているかのような動きだ。
例えるなら、鞭の形をした刃だろうか?
襲ってくる無数の手足をあっという間にしゅぱぱぱぱと輪切りにした。
「うわ!!」
輪切りにされた一部が船に落ちる。
うげ・・まだぴくぴくしてる・・・。
でもレッドクラーケンは切断された手足をあっという間に再生させた!
「へー再生能力あるんだぁ~。しかもかなり早い・・・流石はレベルA」
ジュリアさんは全く驚く様子はなく、何だか楽しそうだ。
「そんじゃ今度はこれでっ『フリーズン・スネーク』!!!」
あ、ジュリアさんの鞭が氷になった。
でも動きは変わらず、またもやレッドクラーケンの手足を輪切りに。
そしたらその傷口が凍った!!!
おおー!!!
今度は上手く再生できないみたいっ!
「アシェル!!今!」
ジュリアさんがアシェルさんを呼ぶ。
アシェルさんはレッドクラーケンの目前までジャンプ!
そして・・・。
「ゲームセット、だ」
アシェルさんはいつの間にか引き抜いていた剣を、船へと降りると同時に鞘に仕舞う。
え、何が起きたの?
バラ・・・・っどぼどぼん!!!
何とレッドクラーケンはあっという間に角切り状態のバラバラになって、海へと沈んだ!!
たったあの一瞬で、こんなばらばらにしちゃったの!?
す、すご・・・・・。
「やったねアシェル~~!」
「お見事でしたわ」
二人はアシェルさんに抱き付く。
これが、ハンターなんだ・・・・・・・。
もう凄いしか言えない・・・。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
ランマルはじ、とクラーケンが沈んだ海を見つめる。
ごぽぽっ。
「・・・・・・・・・!」
海の底から泡が出て暗い影がよぎったのを、ランマルは見逃さなかった。
「まだだ!!!まだ終わってない!!!!」
ランマルが突然大声を上げてびっくりした!!
え、終わってないって・・・?
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