035 ついに遭遇!海の魔物レッドクラーケン
「それだけは絶対に!!!ないっです!!!」
よ、よりにもよってとんでもない勘違いだ!!!
ランマルと私が恋人!?
そんなの天地が入れ替わってもあり得ない!!!
絶対に!!
ランマルも否定してよ!何で今無言なの!?
さっきまですらすら喋ってたくせに!
「私とランマルはただの知り合いで、ちょっと色々あって行動を共にしているだけなんです!!ただそれだけなんです!!!」
「わ、分かった分かったからぁ!」
「そんなに力説なさらなくても・・・」
私は拳を握って何とか誤解を解こうとジュリアさんとグレッタさんに詰め寄った。
そしたら私の熱意が伝わったのか、二人は納得してくれた。
ああ良かった・・。
「そうか・・恋人ではないのか・・」
ぴくり、とランマルはアシェルのその声を聞き逃さなかった。
その口元に笑みを携えたのも目に捕らえた。
「(・・・・・この男・・・・・・・)」
ランマルは眉を寄せる。
とてつもなく、嫌な予感をランマルは感じた。
とその時だった。
船が大きく揺れ始めた。
「な、何!?」
すると室内にモニカさんの声が響いた。
『レッドクラーケンが現れたポイントについた途端、渦潮が起き始めた!!こりゃ間違いなくレッドクラーケンが現れる!!さっさとこっちに出て戦闘準備しやがれ!!!』
このラッパみたいなものからモニカさんの声がびりびりと震えて聞こえる・・。
そこから伸びた管が天井までずっと続いてるから、操舵室にいるモニカさんの所まで繋がっているのだろう。
これで船内のどこにいても声が聞こえるようになってるみたい。
なんて納得してる場合じゃない!!
もうレッドクラーケンとお出まししちゃうの!??
いやああ怖いいいいい!!!!
「・・・あ・・・」
気づくと、アシェルさんもジュリアさんもグレッタさんも顔つきが変わった。
アシェルさんは剣、ジュリアさんは腰に携えていた鞭、グレッタさんは十字架のような杖を手にしっかり持って外へ出ようとしていた。
これがハンター・・・・。
「・・・ユイ。俺も行く・・お前はここで待つか?」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
正直、行きたくありません。
でも、皆が頑張る中で私だけ安全圏にいるというのも・・・。
「・・・・・・・・サポートは頑張るって決めたから・・・。絶対に足引っ張らない位置にいる・・・」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
ぽん、と頭に頭に軽い衝撃。
見ると、ランマルが私の頭に手を置いていた。
「・・・・・・俺が、守る」
そう言うと、ランマルは外へと出た。
私はランマルの思わぬ一面に、一瞬呆けてしまった。
「ランマル・・・・・」
余談
ランマルは恋人に間違われて、心の中で小躍りしてました
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