033 腹をくくったユイとランマルの真意
「ちょっとアンタさぁ~?魔物退治を舐めてんのぉ?腕に自信があるかは知らないけどぉ、魔物を甘く見てたら痛い目見るんだからねぇ~?」
「いるんですよね。ちょっと自分は強いからって、こういう身の程を弁えない方って・・・」
二人の女性は呆れたように言ってる。
そうだよ!!
今までの話から相手はすんごく強い魔物なんだよ?!
それなのに討伐に参加したいって何言ってるのさ!!
確かにランマルは強いだろうけど、流石に無謀すぎだよ!!
「・・・・俺達も、百花繚乱王国へ用がある。快適な船旅を約束してもらえるというのなら、俺達も討伐に参加したい」
ランマル・・もしかしてツキト様の命令をこなしたいと思ってるのかな?
確かにツキト様は船旅を経験してきてほしいと言われた。
私もできる事なら、船旅をしたい。
でも、強い魔物を退治しなくちゃいけないって話になると・・。
「・・・・俺は別に構わない」
「アシェル!」
「アシェル様!」
剣士の男がまっすぐ私達を見た。
アシェルって彼の名前のようだ。
「・・ハンターでないのが不思議なくらい、お前は腕が立つようだ。見ただけで分かる」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「少なくとも俺達の足を引っ張る事にはならないだろう」
「・・・・まあ、アシェルがそう言うならぁ」
「私はアシェル様の言葉に全て従いますわ」
彼女達はあっさりと意見を変えた。
え、そんなころっと変わっちゃうの・・・?
「ちょ、ちょっとランマル・・本気で魔物退治に参加するの・・?」
くいくい服を引っ張って、私はランマルを見上げる。
ランマルは小声(人間の耳には聞こえないくらい小さな声)を出した。
「・・・王国までの船旅は幾日かかかると王から聞いている。それならなるべく設備が整った船の方が良いだろう・・。それぞれに部屋があてがわれるというのなら・・・俺達の正体もばれにくくなる」
「あ・・・・・」
そっか。
船と言う限られた空間の中では、自然と人間達との距離も近くなる。
そうなったら、香水とか使って私達が魔物だという事を隠してもバレる可能性は幾分か高くなる。
・・・そこまで考えてたのかランマル・・。
「・・・それに、いくら資金を頂いているといっても、なるべく手をつけたくはない」
「・・・・・・・・・・・・」
私達はツキト様から沢山お金を貰っている。
困ったらいくらでも使えと言われてるけど、私は今まで必要最低限使った事はない。
だって何か申し訳なくて・・。
ランマルも同じ気持ちだったんだ。
魔物を討伐すれば、船旅の料金は無料になる。
「ツキト様に船旅経験を報告するのであれば・・・、なるべく快適であったと報告、したいだろう?」
「・・・・ランマル・・・・・」
確かに、ツキト様にはなるべく良い報告をしたい。
良い報告を告げて、ツキト様の笑った顔が見たい。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・あー!!!!
「・・・・私は戦闘に不向きだから、役には立たないと思うけど・・なるべくサポートはする・・・」
「・・・・・・・・ああ」
私は覚悟を決めた。
鞄の中に、睡眠薬や酔い止め以外に何の薬があったっけ・・・。
あ、アレとか使えるかな・・・?
ああ、どうか怪我はしませんように・・・。
命は無事でありますように!!
ランマルは今回の旅に出る前に、ホシトから助言を貰っていた。
「もし何かと戦う機会があったら、存分に戦ってる姿をアイツに見せると良いよ!果敢に戦うランマルに惚れ惚れするかも!」
ランマルはぐっと拳を握った。
かっこよく戦う姿をユイに見せたい。
ただそれだけの意味で、魔物討伐に参加を申し出たランマル。
それをユイは全く知る由もなかった・・・。
もっともらしい理由(言い訳)は瞬時に考えたランマルでした。
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