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03 ツキト王子とぽっちゃり黒ウサギ2



「ふーん。狩られそうになってここまで逃げてきたのか。大した奴だなお前。ここは魔法の霧で覆われてて、誰にも見つける事ができない場所なのに」

『まさかここがカムイノクニだなんて・・しかも貴方は王子様だなんて・・』

「余は偉いと言っただろう?」


カムイノクニはとても神聖な場所。

深い霧に閉ざされてて、誰も行く事ができない国。

人の世界でも魔物達の間でもそう噂されていた。


「霧を突破できるなんて大した奴だなお前。気に入ったぞ。よし、お前は今日から余の従魔となれ!」

『えええ!?そ、そんないきなり!?』


とんでも展開だ!

従魔とは、契約を結んで相手の忠実な僕となる魔物の事。

強い魔物と従魔契約を結びたいのは分かるけど何で私!?


「何だ?嫌だというのか?余に逆らうのか?」

『だ、だってまだ会って間もないし、こんな下級レベルの魔物がカムイノクニの王子様の従魔なんて・・』

「余はお前を気に入った。それだけで十分だろう?それとも余が主じゃ不服か?」

『と、とんでもない!!だ、だけど・・』

「ええい!四の五の言うな!!さっさと契約を結ぶぞ!!これは命令だ!!!」

『は、はいいいい!!!』


思えばツキト様はこの頃から自分に思うように進めようとする方だった。

結局私はツキト様と従魔契約を結び、ツキト様の従魔となった。


契約は主となる人が従魔に真名、名前を付ける事で交わす事ができる。

ツキト様は私にユイという名前をくれた。


「ユイとは結ぶという意味もある。今日、余とお前の間に縁が結ばれた。お前は今からユイと名乗り、余の為に尽くせ」


私の体は光に包まれる。

魔物の姿から私は人の姿に変わった。

従魔契約を交わした証の紋様が額に刻まれる。

耳と尻尾とツノはそのまま残ったけれど、私はこの日から人型になれるようになった。

ツキト様は、そんな私を見て一言。


「・・・・お前、メスだったのか」


・・・・気づいてなかったんですかーーー!!!


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