029 次のお嫁さん候補は着物美人 えっ船の旅!?
不思議なたまごを拾ってから数日。
まだたまごから何も生まれてない。
でも私は焦らない。
どんな子が生まれるのかそりゃあ楽しみだけど、たまごの中で頑張って成長してるのが何となく分かるから私はたまごを撫でて頑張れーと応援する。
ランマルに大きなタンコブを作っちゃうくらい丈夫なたまごだけど、温かくて清潔で柔らかいタオルにたまごを包み、手編み籠(事情を知った街の人がくれた)に入れて、私はいつでもたまごと一緒にいるようにした。
そんな中、ツキト様は新たなお嫁さん候補を見つけた。
「見ろユイ!この花も恥じらうような美しさ!余は一目で気に入ったぞ!!」
「うわぁ・・ほんと・・凄く綺麗です・・」
写真に写る女性は結い上げた美しい黒髪にくすみのない白い肌、着物がよく似合う女性だった。
しかも写真越しでも伝わってくる、凄い色気。
ホシト様も色気のすごさが分かるのか、悔しそうに爪を噛んでいる・・・。
着物の上からでも分かるプロポーションだもんね・・。
「東にある百花繚乱王国のナデシコ町に住む娘だ」
「百花繚乱王国・・かなり遠い場所ですね」
確か海を渡っていかないと行けない国の一つだった筈。
まあでも移動石があるから海とか関係ないけど。
「うむ。普通は船を使い海を渡ってその王国へ向かう」
そうそう。
「余は船旅というものにも興味がある」
ん?
「そこでユイに命ずる!お前は船に乗って王国まで行き、余の花嫁候補の素性調査をしてくるのだ!そして実際の船旅はどういうものかしっかり体験してこい!楽しかったのなら余も船旅をしてみたいのでな」
・・・・・えええええええええ!?




