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028 秘密のお部屋



カムイノクニの城には、誰も知らない秘密の部屋があるらしい。

その部屋を知ってしまった者は、もうこの世には戻ってこれないという・・・。

そんな噂がカムイノクニの子供達の間で飛び交っていた。

果たしてその真相は・・・・?




「はぁあ・・・・兄上・・・・・」


ホシトが熱のこもった目で壁にかけた巨大なツキトの写真を見つめる。

抱きしめるのはツキトのぬいぐるみ(ホシトの手作り)。

ホシトはふりふりシルクのワンピースタイプの寝間着姿だ。

似合いすぎて違和感がないのが恐ろしい。

壁どころか天井にまでびっしりとツキトの写真が貼られている。

角度的に明らかに隠し撮りしたものばかりだ。

棚やソファにはツキトのぬいぐるみが大、中、小と飾られてる。


「あああああ兄上~~~。いつになったら貴方は僕の想いに気づいてくれるのですかああああ?僕は、僕はこんなに貴方を愛しているのに・・・。僕なら貴方の最高のお嫁さんになれるのに・・」


ホシトにとって、血の繋がりなど関係なかった。

しかも魔法が発達したこの世界では、同性同士でも子を宿せる事が可能となった。


「兄上~~~僕がいくらでも兄上の赤ちゃんを産んであげますよーーーー!」


ホシトはツキトの写真に身を寄せ、頬をすりすり押し付ける。

ちゅ~~~と写真のツキトにキスをするホシト。


「兄上・・僕はいつでも兄上を受け入れる準備、できてますからね・・・」


クローゼットを開けると、白いふんわりとした衣装がでてきた。

ウエディングドレスだ。

ホシトの体型にばっちり合わせた、見事なウエディングドレス。

ティアラやベールも用意してあった。

更に備え付けの棚を開けると、そこはモザイク必須の大人の道具はわんさかだった。

ホシトは目にハートマークを浮かべ、大人の道具の一つを手に取る。


「ああああ・・・兄上・・早くこれを僕に使ってぇ・・・・兄上・・・兄上~~~♡♡♡」



秘密の部屋。

それはホシトがこっそりと作った禁断の部屋。

自室の本棚の後ろに禁断の部屋に繋がる扉がある。

勿論それは、ホシトとホシトの従魔であるランマルしか知らない。

そのランマルはというと。



「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」


ホシトが愛しの兄への愛を叫んでいる間、部屋の存在がばれぬように自室で見張りをしていた。

ユイの写真を熱く見つめながら。



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