024 ユイ、絶対ピンチ2
くんくん・・・。
「ひっ・・」
ランマルが私の首元に顔をうずめて匂いを嗅ぐ。
このまま牙を立てて食らいつくつもりなのだろうか・・!?
・・・・ペロ。
「!!!!」
な、舐められた!!
首舐められた!!!
やっぱりこのまま私を食べる気だ!!
ど、どうしよう・・怖くて声が出ない・・。
わ、私ついに食べられちゃうの・・?
まだ、ツキト様のお嫁さんも見つかってないのに・・!
何も、できてないのに・・!!
ランマルは興奮していた。
目の前にずっと想いを抱いていた少女がいて、二人きり。
肉食ならではの捕食したいという本能が、今やばい方向に働いていた。
ホシトから強引に迫った方がコロッと行く可能性があるという助言を貰った。
なのでランマルはその助言通りに強引に迫る事にした。
「・・・・・・・・・・・・」
だが、ユイはぽろぽろ泣いていた。
ランマルは首を傾げる。
どうして泣いているんだろう?
ランマルはその涙を舐めとる。
ぺろぺろと、涙を舐めた。
「・・・・ランマル・・・?」
いつ痛みが襲いかかるか身を強張らせていたユイ。
だが痛みは来ない。
頬を舐められる感触に、ユイは初めて自分が泣いている事に気づいた。
「・・・・・・・・・・・泣くな」
ぽつりとランマルが呟く。
「・・・・・・ランマル・・・?」
私はランマルを見上げる
心なしか、心配げな顔してるような・・?
私を食べるんじゃなかったの?
そう聞こうとしたら。
ひゅるるるるるるる
ゴン!!!!
「・・・・え?」
ずる、とランマルが倒れ込む。
何かが空から落ちてきて、それがランマルの頭に直撃したからだ。
ランマルは大きなタンコブができて、静かに気絶した。
空から落ちてきた何かは、ころころと私の足元に転がってきた。
「・・・・・・・たまご?」
それは綺麗な水色をしたたまごだった。




