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020 まさかのあいつと合同調査?!勘弁してくださいっ 7



「・・・・・・・・そ、それは、大変だったな・・・・・・・」

「・・・・・ランマル・・・無事で良かったね・・・・


調査結果をいつも通り報告。

ツキト様とホシト様の前で、私とランマルは膝まづいて今回の事を話した。

話を聞いてツキト様とホシト様は口元を引きつらせていた。

そりゃそうだよね・・。

私も世の中にあんな趣味を持っている人がいるなんて驚きだもの・・。


====================


紅茶を飲もうとした時、ランマルが私の腕を掴んで教えてくれた。


「・・・・・このお茶には、睡眠薬が入っている・・飲むな」

「え、睡眠薬?」


ランマルはオオカミ種だからとても鼻が効く。

だから匂いで、睡眠薬が混ざってると分かったんだって。


「で、でもどうして睡眠薬なんか・・・」

「・・・・・・・・あのアシュリーという男・・嫌な匂いがした・・。何か、とんでもない事をしているかもしれない・・・」

「え・・・?」


ランマルの鼻は、相手が良い人か悪い人かも匂いで何となく分かるらしい。

何て便利な鼻・・。

ランマルは彼の正体を知りたいと言いだした。


「落ちていた新聞の・・男が数人行方不明になっている事件・・あいつが絡んでいるかも・・・・」

「あの新聞・・それ読んでたんだ・・・。でも違うかもしれないじゃない」

「だから・・お前の、耳・・お前の耳なら・・何か聞こえる筈・・・」

「まあ、聴力には自信あるけど・・・」


私はためしに帽子を脱いで、よーく耳を澄まして屋敷の音を聞いた。

そしたら屋敷の下の方から、若い男の泣き声が聞こえた。

それでランマルに指示されたとおり、睡眠薬入りのお茶を飲んで眠ったふりをしていると、アシュリーさんが入ってきて、ランマルをどこかへ連れて行ったのだ。

私は別の部屋に運ばれたけど、カバンから睡眠効果のある香水を取り出して、使用人にしゅっと振りかけた。

まさか逆に自分が睡眠薬を使われるとは思ってなかったろうなぁ・・。

強い睡眠薬に使用人はころっと眠った。

そして私は隙を見てアシュリーさんの影の中に入り、あのファンシーな部屋で全てを聞いていたのだった。


====================


「うーむ・・世の中は色んな奴がいるな・・・」

「それで、その後アシュリーという奴はどうしたの?」

「そうだ!エメラはどうした!?どうなった!?」

「あ・・はい・・・それが・・・」


あのすぐ後、エメラさんは何と自警団の人達を連れて部屋にやってきたのだ。

もう驚いたの何のって!

実はエメラさん、前からアシュリーさんの悪趣味に何となく感づいてて証拠を掴む為に自警団の団長さんと話し合ってたんだって。

それで地下に男の人達を誘拐して監禁してるのが分かって、言い逃れ不可能な決定的な証拠を掴もうとしていた。

そんな時に私とランマルに出会って、アシュリーさんがランマルに目を付けたのに気づいてチャンスだと思って、私達をアシュリーさんと一緒になって強引に屋敷に連れて行ったんだって。


「ごめんなさいね・・彼は領主という立場から、どうしても決定的な証拠が必要だったの・・。おとりのような真似をして、本当にごめんなさい」


エメラさんは何度も何度もランマルに頭を下げてた。

ランマル本人は全く気にしてないと答えてたけど。


「今後はエメラさんが領主となって、捕まったアシュリーさんの被害にあった方々の今後のサポートをしてくれるようです。勿論多額の慰謝料も払って」

「そうか・・。つまり未亡人になったという訳だな。なら余もエメラの力に・・」

「あ・・・いえ・・・未亡人、にはなってないです・・ねぇ・・ランマル」

「・・・・・・・・・・・・・・(こくり)」

「え、どういう事?」


エメラさん、自警団の団長さんと色々話し合ってるうちに団長さんと本当の恋に落ちたらしい。


「裁判などが落ち着いたら、改めて団長さんと、結婚されるそうです・・・」

「~~~~~っ!またしてもこのようなオチか・・!!!」


ああツキト様・・お気持ちお察しします・・。

ホシト様は項垂れるツキト様を慰めているけど、その顔は満面の笑みで嬉しさが隠せてませんよ・・・。


「・・・だが、彼女は本当の幸せを見つけたという訳だ・・。それなら余も心から祝福しよう・・」


ツキト様・・!!!

思わず惚れ直してしまう優しさ・・!!

ホシト様もうっとりされてる・・お気持ちわかります!


ツキト様、次頑張りましょう・・私も全力で頑張ります・・!


でも今回、ちょっとランマル見直したかな・・?

悪い事を見逃せないって感じだったし。

ランマルがいなかったら、あの男の人達は今も監禁されてたかもしれないし・・。

怖いだけじゃ、ないのかも。


「しかし・・今回の話を聞いて思ったが、ランマルがいた方が安全に調査できるかもしれんな・・」


え。


「匂いで危険な相手かどうか判別できるし、盗人相手にも瞬時に反応できるし・・」


つ、ツキト、様・・?


「それなら兄上!!今度もお嫁さん候補の調査にはランマルも同行させましょう!主の僕が許します!!!」

「うむっ。ユイは武術は不得意だからな!ランマルが今後ついてくれるなら、ユイも安全に調査できるだろうっ」

「さすが兄上!名案です!!!」

「ユイ!これからはランマルと共に余の嫁候補の調査を命ずる!!」


そ、そんなぁああああああ!!!!!


「ランマル!しっかりやるんだよ!!」

「御意」


ランマル!何でこういう時だけ返事が早いのさ!!?


ぎらっ。


ひっ!

目があった瞬間、目が光った・・・。

わ、私・・・これからどうなっちゃうんだろう・・・・。

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