016 まさかのあいつと合同調査?!勘弁してくださいっ 3
ラールカの国は、一言で言うと・・。
お人形の国だった。
彼方此方に可愛いお人形が沢山ある。
お店の中もお人形でいっぱい。
あ、あの時計から小さなお人形が出てきた!
こっちも!
「ここはお人形作りで有名な国みたいだね」
「・・・・・・・・・・・・・・・」
・・・何か喋れランマル!
ずーーーっとぴったり隣にいて、ずーーーーーーっと何も喋らない!
まあ街中だから捕食される可能性はないから安心だけど・・。
でもここまでぴったり隣に引っ付いてくるのは何故・・?
それに、さっきからランマルを見る女性がちらほらいる。
まさかとは思うけど・・・・ランマル、モテてる?
・・あ、あの女の人はランマルにハートの目を・・。
・・・・えー・・・・信じらんなぁい・・。
みなさーん、こいつは餓えたウルフ種ですよーとんでもなく怖いですよー!って叫びたい!
まあしないけどね。
でもどうしてこんな奴がモテるんだろう?
目だって鋭くて怖いし・・。
ガラガラガラガラッ
あ、馬車だ。
豪華な馬車だなぁ。
馬車は高価そうなお人形がいっぱい飾られているお店に止まった。
御者の人が馬車の扉を開ける。
中から優しそうな紳士の人が降りてきた。
それに続いて。
「あ、ランマル・・あの人」
「・・・・・・・・・・・・・・・」
写真の女性だ。
実物はさらに綺麗・・・・。
優雅で気品あふれるってまさにこの人って感じ・・。
「エメラ、手を」
「ありがとう、あなた」
・・・・・・・・・ん?
あなたって・・・まさか。
お店の従業員達がお店の前に次々と出てきて、一番偉い人らしき人が手を擦り合わせて紳士と女性の前に出た。
「これはこれは、アシュリー様にエメラ様!ご夫婦で我が店にようこそおいでくださいました!」
がくっ。
「・・・・・・・・・・・・大丈夫か?」
あ、今日初めて声聞いた。
思わず項垂れた私。
ランマル・・気遣う言葉、知ってたんだね。
あー!やっぱり夫婦だったああああ!!!
ツキト様のお嫁さん候補、今回も残念ーーー!!!
「妻が新しい人形を欲しがってね」
「わたくしと同じ髪色の人形がいいの。あるかしら?」
「勿論でございます!ささ、中へどうぞ・・」
微笑み合っている二人。
仲良くお買い物してるんだから、夫婦仲は良好みたいだ・・。
「帰ろうか・・・・」
「・・・・・・・・・・・・」
ああ、またツキト様はがっかりされるだろうなぁ・・。
「きゃー!!!」
ん?悲鳴?
振り向くと、男がこっちに向かって走ってきてた。
「泥棒ー!カバンを返してーーー!!」
ツキト様のお嫁さん候補だった女性が叫んでる。
男の手にはカバンが・・。
泥棒!?
うわっこっちに向かってくる!
「どけぇ!デブ!!!」
デブは百も承知だよ失敬な!!
男は構わず体当たりしてきそうな勢いだった。
でも。
ゴス!!!
・・・・・・・・・・・・・どさり。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
・・・・ランマルが泥棒の顔面にストレートパンチを入れたお陰で泥棒は地面へと倒れ込んだ。
あー、これ鼻の骨いったな・・。
前歯も殆ど・・・。
ご愁傷さまです(チーン)。




