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015 まさかのあいつと合同調査?!勘弁してくださいっ 2



「・・・・・・・・・・・・・・・・・はぁ・・・」


溜息をつくと、幸せが逃げる。

誰が教えてくれたんだっけ・・ツキト様だったかな・・?

でもどうしても重いため息が出てしまう・・。


「よりによってランマルとだなんて・・・・ああ・・私、寿命縮んじゃいそう・・」


服を着替えながら、また私は重いため息をついた。



帽子で耳とツノを隠し、尻尾も隠して、額の紋様をバンダナで覆って、人族の変装完了。

庭で待っておられるツキト様の所へ戻ると、ホシト様と既に同じく変装したランマルの姿があって一気に足が重くなった。


「兄上を待たせるとは、変装するのにどれだけ時間をかけているんですか?」

「まあそう言うな。人族に魔物だとばれたら大騒ぎになる。そうならぬよう変装に念入りするのは当然だ」


うう、何て優しいツキト様・・!

頭巾を取って深紅の髪を一つ縛りして、マスクでなくマフラーで口元を隠しているランマル。

悔しいけど私と違ってランマルは、耳と尻尾を引っ込める事ができるので私よりも人族の変装が完璧だ。

悔しい・・・!


「お待たせ致しましたツキト様」

「うむ。ユイ、お前に役立つものをやろう」


ツキト様は、丸い香水瓶をくれた。

キラキラ綺麗・・。


「以前からユイの為にと魔道具師に頼んでおいた物だ。魔物の匂いを消す効果がある。感の良いハンターは匂いで人に成りすました魔物に気づくらしい。これから街で調査する時はこの香水を使うと良いだろう」


私の為・・・!

ツキト様が私の為にこれを魔道具師にお願いしていたなんて知らなかった・・・。

どうしよう、嬉しくて泣きそう・・!

・・・ホシト様が羨ましそうに睨んでくるけど、嬉しさの方が勝ってしまう・・っ。


「効果は12時間と聞いている。この事はしっかり覚えておけ。ランマルにもちゃんと使わせろ」

「はい!」


シュッと私は香水を自分に振りかけた。

ほんのり甘い匂い。

私は香水をランマルに渡そうとランマルに近づく。


「はい・・」

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」


ランマルは何も言わず香水を受け取ると、シュッと振りかけて香水を返してくれた。

相変わらず無口だ。

私は香水をベルトに着けているカバン(何でも入る)に仕舞う。

カバンの中には他にも色んな香水が入っている。

これらもツキト様が私の為に用意してくれた物。

大事に使わなきゃ。


「じゃあ、行ってまいりますツキト様」

「うむ。気を付けてな」

「ランマル、しっかりね」

「・・・・・・・・・・・・・・御意」


私とランマルは移動石を握りしめる。


「「ラールカ国の人気のない場所へ」」


ああ、どうか・・ランマルに捕食されませんように!!!



「(これで邪魔者はいなくなった・・!!しばらくは兄上と二人きり・・♡後はランマルが上手い事やって嫁候補を潰してくれれば万々歳・・!兄上・・貴方は僕のもの・・・だから僕が貴方のお嫁さんに・・)」

「ホシト様!!!」


どすどすと重たい足音と共に地面が揺れる。


「ベ、ベアワーズ先生・・!!」


ユイよりも恰幅の良い女性が走ってくる。

ホシトの家庭教師だ。


「ホシト様!お勉強の時間ですよ!今日は歴史のおさらいと音楽、魔法のお勉強です!」

「い、いや今日は僕はちょっと・・」

「お勉強は一日休んだから取り戻すのに二日かかりますよ!!さ、ホシト様、お部屋に行きましょう!ツキト様、ごきげんよう」

「あ、兄上~~~~~~~~」


ずるずるとベアワーズに引きずられていくホシト。

それをツキトは。


「しっかり勉学に励め弟よ~」


ひらひら手を振って見送った。


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