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014 まさかのあいつと合同調査?!勘弁してくださいっ 1



魔法の水晶玉。

【千里眼の間】という小さな部屋にその水晶玉は置かれていた。

部屋の名前どおり、千里眼の力を持つと呼ばれるその水晶玉は、昔はもっと具体的に色んな事を映してくれたみたいだけど、今は殆どその力は失われてる。

できる事は、人探し程度。

でもそれが、ツキト様のお嫁さん探しに役立っている。


「水晶玉よ。余の好みに合う娘を見つけてくれ」


水晶玉は淡く光る。

少しして、水晶玉はある女性を映し出した。


「おお・・美しい・・!この娘のいる場所は?」


水晶玉は女性が住んでいる国の名前を表示した。

ラールカ国だ。

名前や女性の素性まで分からないのが難である。

でもツキト様は一切気にしないで、女性の姿を写真にした(水晶玉を置いてある台から水晶玉に映る光景を写真にする事ができる)。


「ユイ!次はこの娘の素性調査を命じるぞ!」

「はいツキト様!今回のお方は身なりからして、かなり裕福な方のようですね」


着ている服がとても綺麗だもの。

胸元に着けている宝石もきらきらしてて目立ってる。


「身分はどうでも良い。余はこの娘の内面の美しさが知りたいのだ。いつも通り頼むぞユイ」

「はい、では早速今から・・」

「待ってください兄上!!!」



バーン!と扉を蹴破るように(いや、実際蹴破った)ホシト様が来た。

ああ、扉が粉々・・・。


「どうしたホシト?そんな大声を上げて」

「あ、これは失礼しました兄上♡ところで偶然聞こえましたけど、次のお嫁さん候補が決まったようですね兄上」


本当に偶然かな・・?

あまりにタイミングが良いような・・・。


「うむ。これからユイに素性調査に行ってもらうところだ」

「では僕の従魔、ランマルも是非同行させてください!」


はああああああ!!?!??

何て言いましたホシト様ああああ!??


「何故お前の従魔を?」

「だって兄上のお嫁さんになるという事は、僕の義姉上にもなるお方だから・・。少しでも力になりたくて・・兄上の役に立ちたくて・・」


もじもじする姿はまさに美少女。

髪も今日は二つに縛っておられるから、益々可愛らしくなってるホシト様。

でもランマルと一緒に調査・・・。

か、考えただけで嫌だあああああ!!!


「ホシトよ・・お前は本当によき弟だ。兄のための己の従魔まで・・。余は幸せ者だ」

「兄上・・・・」


ホシト様はツキト様に抱き付こうとする。

でもツキト様はくるっとこちらを向いたから、ホシト様の腕は空振りした。


「よしユイよ!本日はランマルと共に力を合わせて素性調査だ!!」


・・・・・・・・・・・・・・・・・・い、いやああああああああ!!!!!


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