013 夜の時間はどきどき2
「・・・・ツキト、様」
「何だ?」
「かゆいところはないですか・・?」
「そうだな・・左の耳に近いところがかゆい」
「ここ、ですか?」
「うむ・・・気持ちいいぞユイ」
「それは何よりです・・・」
今日も綺麗な夜空が見える。
お風呂は露天風呂といって、外にお風呂がある。
そこで私は、タオルで体を隠して、ツキト様の髪を洗っていた。
絡ませないように・・痛めないように・・力を入れないように・・!
実はツキト様とお風呂に入るのは初めてじゃない。
時々、本当に時々だけどツキト様はお風呂の世話を命じられる時がある。
その度に私は緊張する。
タオルで体を完全ガードしてるけど、油断は禁物・・!
こんな太い体、ツキト様に晒す訳にはいかない!!!
ツキト様の目が腐っちゃう!!!
ツキト様が嘔吐しちゃう!!!
そんな事になったら、私は切腹する!!!!!
「ふう・・・良い湯だ」
湯船に浸かるツキト様。
少し離れた場所で私も入る。
ツキト様は傷一つない体だ。
白くて、日焼けもしてない綺麗な体。
着替え等、従魔になった時から手伝っていたので、ツキト様の肌を見る事に違和感はない。
緊張は今だにするけど・・。
あ、肌を見ると言っても下半身は凝視しないようにしてるからね!(突然の言い訳)
「ユイ、余はそろそろ上がるぞ」
「あ、はい。では私も・・」
「いや、お前はもう少しゆっくり入っていても良いぞ」
「え、ですが」
「お前、長風呂が好きだろ?遠慮はするな」
ツキト様はそう言うと、脱衣所の方へ行かれてしまった。
確かに私はお風呂はゆっくり入るのが好きだ。
私は嬉しくて嬉しくて、お言葉に甘えてゆっくりお風呂を堪能した。
夜も更けって、時計が鳴る。
就寝時間が来た。
私もツキト様も寝間着姿。
ツキト様は大きなベッドでいつも眠っている。
そのベッドの上で私はツキト様の・・・。
「痛くないですかツキト様?」
「うむ・・心地良いぞユイ」
「良かったです」
耳を掃除していた。
これは日課だ。
ツキト様は私の膝に頭を預けている。
こういう時は、足に肉が付いてて良かったと思う。
硬い膝よりはまだマシだろうからね。
この時間は私にとって、とても大切で幸せな時間。
「昔と比べると、上手くなったなユイ」
「ありがとうございます。でも、お嫁さんができたらこの役目もお嫁さんのものになりますね」
「そうだな・・・」
「きっと、私がするよりもずっと心地良いと思いますよ」
「うむ・・・・」
お嫁さんが見つかったら、この幸せな時間もなくなるだろう。
せめてそれまでは、この時間を満喫する事を許してくださいねツキト様・・。
耳の掃除も終わって、後片付けをし、明日の準備をしてから部屋の明かりを消す。
「おやすみなさいませ、ツキト様」
「おやすみユイ。明日も色々と頼むぞ」
「はいツキト様」
ツキト様がベッドに横になったのを見届けてから、私は隣にある私専用にベッドに入った。
良い夢をツキト様・・。




