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病院の男の子。

作者: 七瀬






___僕は、物心つく頃からずっと病院にいるんだよ。

いつも、病院のベットの上にいるんだ!




___体の調子が悪い時は、毎日吐き気と胸がねむかむかするんだよ。

体を動かす事も辛いんだ。



・・・そんな時はね?

僕のパパやママ、妹も入れない場所に入るんだ!

電話でね! パパやママと話すんだよ!



僕は、マスクをつけてそこに居ないといけなんだ!

看護婦さんに聞いたらね! “無菌室” という部屋らしい。



僕は、免疫力がほとんどなく! 他の病気にならない為なんだって!

そういえば? それを、【合併症】っていうらしいんだ!






___僕の名前は、イオナ、10歳だよ!



僕以外にも、僕と同じ病気の子供たちが僕と同じ病室にいたんだけど?

次々と亡くなって行くんだ!



・・・何人も何人も、、、。

___僕と凄く仲が良かった、ヒロト君は、、、?

1週間前亡くなってしまったんだ。




・・・僕は凄く、悲しくて、、、。

何日も何日も、僕はベットで泣いたんだよ。

だけど? ヒロト君は戻ってくることはなかったんだ、、、!





・・・いつも、僕は思うんだよ!

いつか? ヒロト君みたいに僕も死ぬのかな、、、?





___でも? パパやママの前では、いつも明るく振る舞って

いたよ! 僕が悲しい顔をすると、2人が悲しむと思ったから、、、。


妹には、僕は強いお兄ちゃんだと思ってほしいから!

いつも、明るくお兄ちゃんらしくしていたよ。






___そんな時だったかな?

夜の病室に、知らない男の子が現れるようになったんだ。




僕より、少し下の男の子だよ。

いつも、寂しそうな顔で僕を見ているんだ!


僕がね? 男の子に話しかけると、、、?

その男の子は、何にも言わないんだよ。


『___どうしたの? こんな時間に、、、一人なの? パパやママは?

どうして、ここにいるの?』

『・・・・・・』

『僕が一緒に、君のパパとママを探してあげようか?』

『・・・・・・』

『僕ね! 病気なんだ! だから、この病院から出る事が出来ないんだよ!』

『・・・・・・』

『君も、ここの病院に入院しているんでしょ?』


___はじめて、男の子が頷いた。【うん】


『どこの病室? 何号室なの? 何の病気で入院してるの?』

『・・・・・・』


___男の子は、僕の話を途中で、すっと部屋から出て行ってしまった。

僕が、その後を直ぐに追いかけたのだけど、、、?



・・・その男の子はもういなかったよ。






___それから、その男の子はみんなが寝静まった時間になると、、、?

僕の病室に現れるようになったんだ!



・・・でもね?

その男の子は、一言も僕と話す事はなかったんだけど、、、。

それでも、僕にとっては新しい友達ができたみたいで嬉しかったんだよ!








___男の子が現れるようになって3ヶ月。


男の子が、はじめて話してくれたんだ。


『・・・ボクが、キミの代わりになる! 生きて!』

それが、あの男の子と会うのは最後だったんだ...。




・・・僕は、なにがなんだか?

でも、それから僕のドナーになってくれる人が現れたんだよ!

僕は、直ぐに移植する手術をして成功したんだ。


手術後も、無事に僕の体に馴染んでいって拒否反応も起こす事なく!

僕は健康になっていったんだよ!



___そして、遂に僕が退院する日が来たんだ、、、!







___僕が病室で見ていた男の子は、、、?

僕が大人になって分かった事なんだけど、、、。



・・・その頃、その男の子は? 【脳死】だったらしんだよ!

そして、その後、、、。



僕は、その男の子の心臓を移植してもらったんだ。

だからなのかな? あの男の子の言葉が今でも忘れられないよ!


『・・・ボクが、キミの代わりになる! 生きて!』




___今は、あの男の子と一緒に僕は、元気に生きているよ。

たくさん! 今までの分もあの男の子と一緒に幸せになるからね!





最後までお読みいただきありがとうございます。

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