登場人物~ノスティラス皇国【★挿絵有】
ヘンリ=ドルマン・ノスティラスⅠ世:
“妾はこの計略に、乗るわ”
“我は皇帝ヘンリ=ドルマン!!! お主らを決して悪いようにはせぬ!!!”
“妾は貴男たちを頼りにしている。そして必ず討つわ、サタナエルを”
男性、35歳、身長183cm、体重65kg。金髪、白い肌、青い瞳。戦闘スタイルは魔導。
ノスティラス皇国皇帝。“紫電帝”の異名をもつ。大導師アリストルの一番弟子にして、現在大陸最強と云われる魔導士でもある。高貴な佇まいの美男子だが、その心は完全に女性で、“女男皇帝”と揶揄されることもある。だがそれに反し剛毅で決断力に富み智謀に長け、臣下や民から絶大な人望を集める、皇国史上屈指と云われる名君。
建国者の祖先バロム同様野心家で、エストガレスの持つ中原の覇権を狙い続け、「ドゥーマの反攻」を引き起こした張本人。
即位以前から反サタナエルの姿勢を貫き、国民の身を案じてレヴィアタークやベルザリオンの元で雌伏するも、反撃の機会を伺っていた。信じていた裏切り者メディチを誅殺。レヴィアタークを斃したレエテを迎え臣下に加えようとするも失敗した。
ただし人間味あふれる性格ゆえレエテやナユタなどには親愛の情をもっており、「エスカリオテの会戦」に参加できない彼女らの事情を組んで協力もした。
会戦では、大陸最強の座を争う形でヴェルに相対する。最強の魔導でヴェルに凄まじい傷を負わせるも凌がれ、身体を寸断される。左腕と左足を根本から失う瀕死の重傷を負って意識を失い敗北、ミナァンとイセベルグの手で逃亡。現在は生死不明。
[使用技]
連追撃雷光:
半径1kmにも及ぶ範囲の敵を、即死級の雷撃で追尾し皆殺しにする。ドゥーマ無血開城とメディチの裏切りの際に発動。
巨下垂雷撃:
自然の落雷と同威力の雷撃を天から落とす技。数億ボルトの雷撃が一瞬にして全身を焼く。メディチを仕留め、フレアや“第二席次”を追いつめた。
束高圧電砲:
自然の落雷と同威力の雷撃を水平前方に放つ技。数億ボルトの雷撃が数km先まで災害級の被害をもたらす。攻撃を個人に収束した、束高圧電砲・収束もある。
神雷審判災禍:
ヘンリ=ドルマンの神魔の魔力の全てを変換した、超災害級の広範囲電撃。その超高電圧の威力は、“第二席次”の灼溶岩流を完全に打ち消して死亡させた。これを収束させた神雷審判災禍・収束はまさしく必殺の威力だが、ヴェルはこれをも凌いでみせた。
カール・バルトロメウス:
男性、40歳、身長191cm、体重105kg。黒髪、白い肌、青い瞳。戦闘スタイルは両手持ち大剣+魔導。
ノスティラス皇国皇元帥。前皇帝の嫡子で、ヘンリ=ドルマンの従兄にあたる人物だが、彼の王器を認め位を譲る。
皇国最強をほこる剣士で、風元素魔導を帯びた大剣を操る魔導剣士である。
「ドゥーマの反攻」で活躍、敗走するも“三角江”の四騎士を結成するにいたり、押しも押されぬ皇国の武の中心となる。
「エスカリオテの会戦」で、四騎士とともに“魔人”ヴェルに挑みヘンリ=ドルマンの身を守るが、力及ばず敗北。愛妻ミナァンの目前で壮絶な死を遂げる。
[使用技]
魁偉烈風:
得物、魁偉滅殺にまとわせた風元素魔導により、オリハルコンですらも寸断する真空波をまとった斬撃を放つ大技。
ミナァン・ラックスタルド:
女性、32歳、身長167cm、体重51kg。B96 W57 H93。栗色のショートヘア、白い肌、青い瞳。戦闘スタイルは魔導。
皇国五大統候の一人、デネヴ統候。家督を継いだため別姓だが、カールの妻である。独自の夫婦観を持ち、互いに公認のうえで気ままな性遍歴を楽しんでいる。四騎士サッドや、ホルストースとも行きずりの関係を持った。
ヘンリ=ドルマンの一番弟子であり、“氷雪女帝”の異名をもつ氷雪魔導の使い手。
[使用技]
死花零雪波:
巨大な雪の結晶を発生させ、急激な低温をもたらすことで敵を殺傷する。
極零度牢獄:
大地から超低温の雪壁を発生させ標的を閉じ込め、瞬時につららが発生するほどの低温で敵を殺害する。
絶対零滅砲:
ミナァン最大の奥義。両手から絶対零度の凍気を打ち出し、敵を凍らせ瞬殺する。
イセベルグ・デューラー:
男性、42歳、身長180cm、体重69kg。黒の髷、白い肌、茶色の瞳。戦闘スタイルは魔工武器。
魔工都市アルケイディアで、最高の技術と知識をもつといわれる“魔工匠”。
極めて職人気質な気難しい人物で、魔導義手を求めてきたルーミスを試す。が、その壮絶な覚悟に打たれ、全面協力する。実は元法王庁司教で、“背教者”であったことが判明。信仰を失っていたがルーミスの法力を注入されて一時的に力を取り戻し、ベルザリオンとの戦いに協力した。メディチの裏切りを見破っていた最初の人物。
レオン・ブリュンヒルド:
男性、40歳、身長179cm、体重79kg。黒い髪、白い肌、黒い瞳。戦闘スタイルは長剣。
“三角江”の四騎士の長。
「ドゥーマの反攻」の際、カールの命を救った四英雄が義兄弟の契を結んだことで結成された、四騎士のリーダー。冷静沈着かつ剛毅な武人で、卓越した剣技の持ち主。ドゥーマの無血開城の際入城し、しばらく統治を担当した。エスカリオテの会戦において、ランドルフの仇を討つべくヴェルに立ち向かうも、あえなく一撃で無念の戦死を遂げた。
ランドルフ・シュツットガルト:
男性、43歳、身長202cm、体重160kg。黒い髪、白い肌、黒い瞳。戦闘スタイルは両手斧。
“三角江”の四騎士のひとり。
四騎士最年長で、極めて声がでかく豪快、義侠心あふれる傑物。サタナエルに単身反旗を翻したレエテに敬意を払い、ハッシュザフト廃城の引き渡しなど多岐にわたり協力。エスカリオテの会戦において、カールとレオンをかばい単身ヴェルに立ち向かうも、一撃で身体を寸断され戦死した。
サッド・エンゲルス:
男性、27歳、身長182cm、体重77kg。赤い髪、白い肌、赤い瞳。戦闘スタイルは斬血糸。
“三角江”の四騎士のひとり。四騎士中最大の実力者と噂され、“赤髪鬼”の異名を取る。
目に見えぬほど細い、強力かつ変幻自在なイクスヴァ鋼糸を十本の指から発し、敵を切り刻む“斬血糸”の使い手。一時ミリディア統候領を治め、シエイエスの願いに応じて妹ブリューゲルを預かった。エスカリオテの会戦において、幾人ものサタナエル副将やエスカリオテ将校を暗殺。七長老の“第六席次”にすら一撃で勝利を収める。主君カールの妻ミナァンの戯れで肉体関係をもったことがあり、それ以来彼女を愛している。ミナァンを救いに激戦地に赴くも、その後の生死は不明。
エティエンヌ・ローゼンクランツ:
男性、26歳、身長175cm、体重66kg。金髪、白い肌、蒼い瞳。戦闘スタイルは長剣+魔導。
“三角江”の四騎士のひとり。ナユタの幼馴染。子供の頃からナユタに片思いを続けていた。ヘンリ=ドルマンの直弟子の一人で雷撃魔導の使い手。ハッシュザフト廃城において、ナユタへの思いから滞在し刺客との戦いに参戦。イアン・ヴァルケンを仕留めた。エルダーガルド平原の戦いにおいてレーヴァテインを相手取るも実力差は歴然、ナユタに救われる形になる。最期は、ナユタを狙ったフレアの絶対破壊魔導に身を挺してかばい、ナユタに愛を告げたあと、霧散して果てた。
ラーニア・ギメル:
女性、60歳、身長151cm、体重75kg。
ルルーアンティア孤児院院長。ナユタの育ての親で、通称“おばちゃん”。
ハーミア教の修道女としてランダメリアで活動する傍ら、身寄りのない子どもたちを引き取り何百人も育て上げてきた。言葉や態度はナユタ同様荒っぽいが、大いなる慈悲と包容力にあふれた、聖母のごとき女性。巣立っていった子どもたちが死んでいくのに心をいため、とくにすぐに死ぬと思っていたナユタには特別目をかけ可愛がっていた。同期のエティエンヌらが死んでいく中、思いがけず生きて戻ってきたナユタに対する愛情を抑えきれず、レエテとルーミスにナユタの生還を懇願。密かに聞いていたナユタは、感動とともに生還を決意した。
トリスタン・リュードネード:
男性、享年16歳、身長166cm、体重58kg。
ナユタの幼馴染で元恋人。同期の中でもリーダー的存在で、世界最強の魔導士を目指して魔導を学んでいた。しかし実は全くの凡才で、自惚れにすぎるところがあり、自身満々で入門を希望した大導師に門前払いを食らった。意気消沈し当たり散らしたナユタに、思いがけず天地の差ほどの魔導の才能差を見せつけられ絶望する。が、己の夢に執着し続け、無理して志願したドラゴン調査隊で功をあせり、ブレスの一撃で死亡。ナユタは彼を追い詰めてしまったのは自分と己を攻め、彼の夢世界最強の魔導士の夢を継ぐため、大導師の門を叩くことになった。
メディチ・アントニー・テレス:
男性、43歳、身長175cm、体重85kg。
五大統候領最大のノルン統候。ヘンリ=ドルマンの少年時代の師であり、人格者であったことで、彼の最大の信頼を勝ち得ていた。しかし、若い頃に皇帝の座を目指しながらヘンリ=ドルマンの異常な才覚の前に敗北感に打ちのめされており、裏では邪悪なコンプレックスと怨念を抱いていた。ノルン統候に戻ってからは絶望に打ちひしがれ、暴飲暴食の末に糖尿病で両足を切断。自暴自棄となっていたところへサタナエルの誘いを受け、祖国を裏切る。メフィストフェレスの中毒者となり自領でも蔓延、被害を拡大。イセベルグの魔導義足をつけていたことが命取りになり裏切りが発覚。主君暗殺を試みるも、ヘンリ=ドルマンの魔導の前にあえなく即死した。
ロヴェスピエール・ノスティラス:
男性、30歳、身長187cm、体重79kg。
五大統候の一角、ラウドゥス統候。ヘンリ=ドルマンの異母弟でもある。彼と違い、心は男。
兄とは基本的に不仲。シニカルな性格で物事を常に客観視し、兄に反対することが多い。だがヘンリ=ドルマンは彼の冷静な反対意見を、貴重なものとして常に耳を傾ける。
アリストル・D・クロムウェル:
男性、享年63歳、身長176cm、体重69kg。黒い髪、黄色い肌、黒い瞳。戦闘スタイルは魔導。
大陸最強と云われた伝説の大魔導士。異端でありバラバラに存在していた魔導の体系をまとめ、現在の形にした偉大な先達。彼の功績で魔導士という職が認められ、皇国でもあらゆる分野に取り入れられるにいたった。
多くの弟子を取り、大陸に魔導を広めることにも貢献した。ヘンリ=ドルマン、ナユタ、フレア、レジーナなどを育てるが、5年前、女好きが災いしフレアの誘惑の罠にはまり命を落とす。その際、自身の体内に封印していた鍵を盗まれ、秘匿していた絶対破壊魔導に関する書物をフレアに簒われる。ナユタは彼の仇をとるため、ランスロットとともに旅立っていた。