登場人物~エストガレス王国・ドミナトス=レガーリア連邦王国【★挿絵有】
<エストガレス王国>
ダレン=ジョスパン・ファルブルク・エストガレス:
“ふふ……決して逃さぬぞ、我が血の花嫁よ”
“余もお主と同じ考えだ、オファニミス”
“お主は余の敵ではなかったというわけだ、ゼノン”
男性、28歳、身長181cm、体重55kg。金髪、白い肌、ダークブルーの瞳。戦闘スタイルは両刃付きレイピア。
エストガレス王国の王族公爵。王位継承権第4位。高貴な身分にふさわしい将器と知略の持ち主だが、その邪悪で捻くれた性格、素行の悪さから、“狂公”と呼ばれ忌み嫌われる。コロシアムでレエテの実力と出自を知り、彼女を利用するべくダリム公国からの脱出を助けた。瞬間移動としか思われない不可思議な力を使い、六万の大軍の将全てを一瞬で屠ったり、エイワスやゼノンなどサタナエルの並み居る強者をも相手にしない圧倒的な戦闘者。
従妹のオファニミスにだけは愛情を注ぎ、彼女からも慕われている。一度は彼女を騙し利用しようとしたが、バレンティンでの一件で目論見も本性も見抜かれ、対等に接するようになった。
居城ファルブルク城で禁断の人体実験に手を染め、その素体としてレエテの身体を狙っている。シエイエスに捕獲を命じるも、ドミナトスでのあわやの場面で裏切りにあうなどことごとく失敗。その後もラ=ファイエットと己の傘下特殊部隊“夜鴉”に命じ、執拗に彼女を狙う。
シェリーディアに頼られたのを利用し彼女を手篭めにし、愛人兼配下の戦闘者として従えた。
エストガレス内戦では単独の殺戮兵器となり、北部から中央までのドミトゥス軍10万以上をたった一人で無力化した。その後訪れたローザンヌ城でゼノンと戦闘になり一蹴、偶然捕獲に成功したレ=サーク・サタナエルを素体として己の居城に連れ帰った。
オファニミス・ローザンヌ・エストガレス:
“お従兄さま! おかえりなさい!!!”
“私は貴方の、味方です。レエテ”
“我はここに、エストガレス王国女王となることを宣言する!!!”
女性、17歳、身長154cm、体重43kg。金髪、白い肌、青い瞳。
エストガレス王国第一王女。王位継承権第2位。うら若い可憐な容姿をもつ美姫で、相応の無邪気な性格でもあるが、裏腹な天才的頭脳と決断力、行動力をもつ女傑。
ローザンヌの市政をその若さで担当し、存在を知ったサタナエルについて危険視、排除を目論む。
“陽明姫”の通り名で呼ばれるほどの人望も誇るが、その優秀さが兄ドミトゥスの謀反を引き起こす原因の一つになり、父王虐殺の濡れ衣をかぶせられる。その後脱出しカンヌドーリア公国において女王への即位を宣言。多大な犠牲を出すも、王国を取り戻すことに成功した。
レエテのファンを宣言する、王族として大陸随一の彼女の理解者。
幼い頃から従兄のダレン=ジョスパンに恋い焦がれており、彼にとって唯一の理解者でもあった。
シャルロウ・ラ=ファイエット:
男性、36歳、身長162cm、体重90kg。短い金髪、白い肌、青い瞳。戦闘スタイルは斧槍
エストガレス王国元帥。“流星将”の異名を取る斧槍の使い手で、王国最強の戦士と云われる。オファニミスの教育役として付き、父同然に慕われるが、同時に我儘にも振り回される。
特殊部隊の元大佐であり、シエイエスにとっては師と呼べる存在。
普段は人格者、作戦においては冷徹で優秀な軍人であるが、ダレン=ジョスパンとオファニミス以外眼中にない異常な行動を見せることがある。
その正体は、エストガレス元南部師団長にして史上最悪の虐殺者、ルーディ・レイモンド。偶然ダレン=ジョスパンの実験の被験者となることで貌と身体を変え、罪を償うべく生きてきた。
最後はオファニミスの窮地を救い、僭王ドミトゥスを討ち果たした後、ゼノンに挑むものの力及ばず壮絶な死を迎えた。
[使用技]
斧槍による回転斬撃:
短躯にそぐわぬ超怪力で振り回す斬撃、刺突。加えて、斧槍自体を地面に突き刺して己を回転、踵に仕込んだオリハルコンの刃で斬りつける技ももつ。どれも神速かつ広範囲の技で、「ドゥーマの反攻」やアヴァロニア攻防戦では1000人以上の将兵を単身皆殺しにし、ゼノンをも追い詰めた。
アルテマス・エストガレスⅡ世:
男性、56歳、身長169cm、体重55kg。白髪、白い肌、青い瞳。
第47代エストガレス王国国王。頭脳も武勇も決断力も凡庸な男。できるだけ出る杭にならぬことで、陰謀渦巻くエストガレスで30年の間王座を保ってきた。ダレン=ジョスパンを恐れ、娘オファニミスを溺愛し、息子ドミトゥスを忌み嫌った。そのことが遠因となり、謀反劇に加担したドミトゥスによって殺害される。
ドミトゥス・アライン・エストガレス:
男性、27歳、身長170cm、体重58kg。金髪、白い肌、青い瞳。
エストガレス王国第一王子にして王太子。オファニミスの兄。アルテマス以下の愚物で、頭脳も武勇も決断力も向上心も皆無。プライドだけは高く、己の高貴な血のみが生きる糧だった。優秀な従兄ダレンやオファニミスを憎み、そこをゼノンに付け込まれて王国史上最悪の謀反の首謀者となる。だが父を殺した時点で怖気づき引きこもる暗愚さで、最後まで命に執着する腑抜けぶりにラ=ファイエットの怒りを買い無残に殺された。
エレオノーラ・ジェニュア・エストガレス:
女性、享年37歳。
アルテマスの后でドミトゥスとオファニミスの母。美・智・勇を兼ね備え、子どもたちに分け隔てない完璧な女性だったが、10年前に癌に侵されこの世を去った。
ダフネ・アラウネア:
女性、22歳、身長163cm、体重52kg。白のボブカット、白い肌、青い瞳(隻眼)。戦闘スタイルは両手持ちブレード。
ダレン=ジョスパン傘下特殊部隊“夜鴉”の隊長。階級は少佐。
冷静沈着かつ決断力と行動力に富む女傑。シエイエスとは過去ライバル関係にあり、忌み嫌っていた。求道者的側面もあり、師である剣聖アスモディウスを崇拝し、己の力量を推し量るためあえてサタナエルに挑む決意をする。
[使用技]
鬼影流抜刀術 沢鷺の閃:
剣聖アスモディウス直伝の抜刀術。水面の獲物を狙う猛禽類のように、超低空飛行の太刀筋で神速の一撃を見舞う。腰を低くし放つため、威力にも勝る。レエテをネツァク川に落とす要因となった。
鬼影流抜刀術 鷹落の閃:
担ぐように構えた鞘から、一気に下段に振り下ろす抜刀術。過去幾多もの敵の脳天を割った。
鬼影流抜刀術、昇陽の閃:
鷹落の閃と逆に、超下段に構えた状態の鞘から一気に天に向けて刃を切り上げる。
全ての鬼影流の中で最大の威力を誇り、格上のレ=サーク・サタナエルを両断して勝利を掴んだ。
ビラブド・フェルナンド:
男性、24歳、身長178cm、体重74kg。金髪、白い肌、茶色い瞳。戦闘スタイルは二刀ブレード。
ダレン=ジョスパン傘下特殊部隊“夜鴉”の隊員。階級は中尉。
常に冷笑を浮かべたニヒルな性格。隊の中では切込み隊長的役割。
[使用技]
回転連撃:
同じ長さの二刀のブレードを水平に構え、特殊機構によりブレードを伸長、怒涛の速さで回転し、大量虐殺を可能にする。伝授したラディーンのそれより、オリジナルである彼の技は比較にならぬほど強力で、レエテを存分に追い詰めた。
デレク・ヴィンフィールド:
男性、33歳、身長189cm、体重104kg。黒髪、白い肌、黒い瞳。戦闘スタイルは魔導。
ダレン=ジョスパン傘下特殊部隊“夜鴉”の隊員。階級は大尉。
寡黙で冷静沈着な、ダフネの副官。
[使用技]
重力魔導:
敵を引き寄せる重力、弾き飛ばす斥力を使い分ける魔導。うまく利用し物理的な破壊も可能。
崖を破壊し、レエテをネツァク川に叩き落とした。
ザウアー:
ダレン=ジョスパン傘下特殊部隊“夜鴉”所属、デレク・ヴィンフィールドの従僕である、隼の魔導生物。風元素魔導を操る。威勢のいい若者の口調で話す、非常に喧嘩っ早い性格。
ドレーク・ザンデ:
男性、39歳、身長179cm、体重74kg。
ダレン=ジョスパンの近衛隊長。非常に有能な軍人だが、臆病で慎重な性格でもある。主人に忠誠は誓うものの、その人外の超常力に心底恐れを抱いている。王国内乱では主人の命にしたがい、ファルブルク城を見事守りきった。
ドイル・エリジニウス:
女性、26歳、身長185cm、体重65kg。赤髪、白い肌、赤い瞳。
ラルカス湾に面した河口都市、シェアナ=エスランを所領に持つ、エストガレス王国海軍提督。
オファニミスの熱狂的信奉者。王国内乱では彼女のもとに馳せ参じるも、副将シオンに領民、夫、息子を人質にとられ裏切り者となる。オファニミスの元に手引きしたシオンに、用済みとばかりに殺された。
イーニッド/二ヴァス:
エストガレス王国師団長。それぞれ南部、東部管轄。オファニミス派。
ジェリウス/フリルギア
エストガレス王国師団長。それぞれ北部、西部管轄。ドミトゥス派。
マーレー/アシュリーゲイ
エストガレス王国将軍。それぞれ中将、参謀本部長。ドミトゥス派。
ホラズム:
エストガレス王国旅団長。階級は大佐。王都を脱出しようとするオファニミスを止めるが、ゼノンの前に軍を壊滅させられ、自身も惨殺された。
ラルゼ:
エストガレス王国旅団長。階級は大佐。ニイス近郊にてレエテ一行を襲撃した軍の総大将。最後はレエテの円軌翔斬によってあえなく討ち取られた。
<ドミナトス=レガーリア連邦王国>
ソルレオン・インレスピータ:
男性、55歳、身長192cm、体重97kg。黒髪、白い肌、黒い瞳。戦闘スタイルは両手持ち長剣。
ドミナトス=レガーリア連邦王国国王。インレスピータ族の一族長だったが22年前、王国を建国した。
女神マルゼ・ファロンの神器、神剣アレクトを振るう一流の剣士。ホルストースの父であり、彼と共通する容姿と性格の持ち主。
キメリエス・インレスピータ:
男性、29歳、身長190cm、体重82kg。黒髪、白い肌、黒い瞳。戦闘スタイルは長剣。
ドミナトス=レガーリア連邦王国第一王子。ホルストースの兄。
家族思いの熱い性格だが、真面目な堅物で口うるさかったため父に遠ざけられノスティラス皇国に留学、暫定将軍位を与えられた。王家の一員にふさわしい器と知勇、天才的馬術の持ち主。
ムウル・バルバリシア:
男性、13歳、身長152cm、体重40kg。赤い髪、白い肌、緋色の瞳。戦闘スタイルは偃月刀。
ドミナトス=レガーリア連邦王国、レガーリア地域の有力部族バルバリシア族の一員。純朴な性格だが、俊敏で賢い少年。ソガール・ザークの襲撃により部族の大部分の戦士と、兄同然の存在ベルべナウを殺され、その復讐をとげるためにレエテに同行。一行の道案内役として活躍する。
バレンティンで仇敵ソガールの死を見届け、レエテらに別れを告げて故郷へと戻っていった。
イオリア・ドライアード:
男性、44歳、身長184cm、体重65kg。白髪、白い肌、碧い瞳。
ドミナトスのドライアード族族長にして、ドミナトス=レガーリア反乱軍の首領。国王ソルレオンの強引なやり方に反発しており、息子であるホルストースを受け入れて副首領に立てた。
ネイザン・ゴグマゴグ:
男性、55歳、身長188cm、体重130kg。白い肌、碧い瞳。
ドミナトスのゴグマゴグ族族長にして、連邦王国の副宰相。首都のお膝元グラド市の市長でもある。
禿げ上がった頭にごつい肉体という見た目にそぐわぬ、知恵者で曲者。ソルレオンの不動の右腕として活躍。シャザーとセフィスに捕らえられたルーミスに面会、その向うっ気を気に入り影で協力する。ソガール・ザークの邪悪さ危険さにかねてから危機感を抱いており、レエテ一行を利用しようとしたふしがあったが、激戦後のレエテの魂の叫びを聞き改心した。