登場人物~サタナエル魔人・将鬼【★挿絵有】
ヴェールント・サタナエル(“魔人”ヴェル):
“大陸の頂点たる絶対強者はこのヴェルであることを、虫どもに思い知らせる”
“俺は貴様を妻に迎えると決めた、マイエ・サタナエル”
“たわけが。だから云ったのだ、俺が出ると。貴様らでは話にならぬ”
男性、21歳、身長203cm、体重196kg。銀の短髪、褐色の肌、黄金色の瞳。戦闘スタイルは結晶手+格闘術。
組織サタナエルの最高位に立つ“魔人”の称号を受け継ぐ、世界最強とされる存在。畏れを込めて、その存在は代々本名で呼ばれず別名や短縮名で呼称される。
極めて寡黙、ストイックで強烈な意志を通す性格。
父は先代“魔人”ノエル、母親は将鬼サロメ・ドマーニュ。18歳のとき訓練において対決・敗北したマイエに恋し、深い愛情を抱く。20歳で地位を得てすぐに、マイエを妻に迎えるべく彼女のコミュニティを襲撃。マイエに勝利し壊滅させる。しかし生き残ったレエテを逃がす為自ら命を絶ったマイエを失う。その後フレアの報告によりレエテが己の妹であることを知るが、恨みは消えず復讐を心に誓っている。
筋力、スピード、技、魔力、戦闘センス、カリスマ性、頭脳。どれをとっても地上最強に相応しい至高の存在。それに慢心せず地獄の鍛錬を続けていることで、天井知らずの強さを得続けている。
フレア・イリーステス:
“貴方たちがこの私を殺すと? 身の程を知りなさい、虫けら”
“できれば忘れてほしいものね、過去の因縁などというものは。私貴方のこと評価してるのよ”
“うふふ! どう、気持ちいい? 私と貴方の血が混ざりあってる。最高じゃない?”
女性、26歳、身長161cm、体重51kg。栗色の肩までの髪、白い肌、ブラウンの瞳。銀縁の眼鏡。戦闘スタイルは魔導。
サタナエル“魔導”ギルド将鬼にして、六ギルド全てを束ねる将鬼長の地位をも兼ねる。
元は酸素操作魔導の名手で、それが縁でゼノンと出会っている。
その後、アリストル大導師に弟子入り。二番弟子にまで上り詰めるが、色仕掛けの策略により大導師を暗殺。その秘密、“絶対破壊魔導”を入手し、サタナエル入り。その無敵の魔導と超越的頭脳を見込まれ現在の地位に至った。
通常は“本拠”の守護を務めるが、ボルドウィン魔導王国を実質支配下に置く。
ナユタからは宿命の怨敵として狙われる。フレアはナユタの潜在能力と知略を認め、仲間に引き入れたがっている。
徹底した残虐さ、冷酷非情な性格のサディスト/マゾヒスト。レエテやナユタの往く先々に現れ、大事な命を奪い、引き裂き苦しめる。後に虜囚としたシエイエスに心底恋することで、レエテも含め愛憎入り交じった複雑な感情を抱くようになる。
[使用技]
灼分子振撃:
分子を急激に振動させ、物質の温度を急上昇させる基本技。レエテの全身の血液を沸騰させ死の手前に追いやり、レーヴァテインの舌を溶かし尽くした。
原子壊灼烈弾:
負属性。原子の結合をバラバラにする結界を発生させる。結界上のエネルギー力場に触れた者はその瞬間に赤い霧となって霧散する。攻撃にも防御にも適用可能な技。四騎士エティエンヌをこの世から消滅させた。
分子操作による拘束:
分子の結合を固定することで、対象の動きを完全に止める。変異魔導により拘束具を無力化するシエイエスを、指一本動かせぬ状態にした。
核振動熱波:
灼分子振撃の上位技。超エネルギーを凝縮した光球を放ち、爆発範囲内の物体を分子の激震により一気に数千度にまで加熱、焼き尽くす技。
ロブ=ハルス・エイブリエル:
“フフフ……私は貴方の身体が目的だったのです、ナユタ”
“これで私の座は安泰。悪く思わないでくださいよ”
“この私を一体誰だと? このロブ=ハルスを魔導で倒そうなどとは、全くもって片腹痛し”
男性、41歳、身長199cm、体重123kg。スキンヘッド、日焼けした白い肌、コバルトの瞳。
“短剣“ギルド将鬼にして“耐魔匠”の異名を持つ。
巨大ジャックナイフを縦横に振るう魔の物理戦闘力と、いかなる魔導も通じぬ大陸最強の耐魔力をもつ。
支配地域は、エストガレス王国の、法王府以北。近郊のダブラン村にて、アクセサリー店の店主に身をやつす。そこでナユタに出会ったことで、以後彼女の身体に執着することになる。
正体を現した法王府南大門の戦いで、ルーミスの父アルベルト司教を殺害。その後も多数の女性を陵辱したり、ランスロットの死の原因を作るなど、悪逆非道の限りを尽くす。
将鬼の中でも際立って自己中心的かつ淫乱な人物。思想信条をもたず、己が戦いと性行為で快楽を得る場所が保証されることが全て。そのためなら敵味方を問わず利用し、裏切ることに躊躇がない。
[使用武器、技]
巨大ジャックナイフ:
二刀流。刃渡り50cm以上の鍛造オリハルコン製。ロブ=ハルスの長いリーチにより長剣なみの射程を誇る。彼の機動力にも寄与し、その繰り出す回転斬撃は一気に数千人を屠る血の竜巻を発生させる。
全反射:
耐魔の最上位技。張り巡らせた極限の耐魔結界により、敵の魔導を100%反射することが可能。方向は任意。フレアなど使える術者は数えるほどしかいないが、中でもロブ=ハルスのそれは、この世に反射できぬ魔導はないと云われる至高の技。
ソガール・ザーク:
“何だうぬらはああああ!!!! 弱く、脆い!!! 鍛錬が足らぬに過ぎる!!!!”
“これで我も、レエテ・サタナエルへの復讐を成せり!!!”
“どうしたレエテ、うぬの力はそんなものか? かつて見せた力、我に見せよ!!!”
男性、38歳、身長182cm、体重128kg。黒の長い髪、白い肌、黒の瞳。戦闘スタイルは大剣二刀流。
“剣“ギルド将鬼にして、“剣帝”の尊称で呼ばれる、地上最強の剣士。生まれつきの異常骨格、異常筋肉の持ち主。合計重量150kgを超える漆黒の大剣を振るう、二刀流。
エグゼビア公国の農奴出身。己の尊厳を踏みにじる周囲の人間、上級階層に怒りを爆発、虐殺しサタナエルにいざなわれる。たちまち頭角を現し、史上最年少19歳で将鬼の座についた。
以降その異常なストイックさと残虐性を武器に、オリジナル剣術“黒帝流断刃術”を編み出すに至った。
支配地域は、ドミナトス=レガーリア連邦王国。国王ソルレオンとは比較的良好な関係だが、ソルレオンからは度を越した残虐性に難色を示されている。
同性愛者であり、トム・ジオットを伴侶にもつ。
レガーリア地域と王国コロシアムにてレエテと二度対峙。彼女を追い詰めるも膝の弱点を突かれ、周囲のサポートを得たレエテの“螺突”最初の攻撃を受けた人間となり敗北。直後に屍体のままレエテに切りかかり場の全員を恐怖に陥れるが、二度目の“螺突”により完全に死亡。
[使用技]
黒帝流断刃術 氣刃の参:
鍛錬の結果発動するようになった光魔導を、超鋭利な刃として放つ技、氣刃。その中で、水平方向に幅10m射程数十mに達する光の刃を打ち出す。剣士でありながら中距離の敵を殺害する規格外の技。
黒帝流断刃術 氣刃の壱:
大剣を斬り上げもしくは斬り下げ、垂直方向に伸びた氣刃を放つ技。
黒帝流断刃術 氣刃の弐:
大剣を斜に斬り上げもしくは斬り下げ、斜め方向に伸びた氣刃を放つ技。
黒帝流断刃術 氣刃の四:
大剣を突き出し、放射上に多数の氣刃を放つ技。
黒帝流断刃術 死十字:
両の大剣を大地に突き出し、前方向に力を溜める。極限に溜めた力を一気に上空に解放し十字を描くように斬撃を繰り出す迎撃技。黒帝流断刃術最強の奥義であり、溜められた力は、地上最速、最強の斬撃となり相手を死にいざなう。
レヴィアターク・ギャバリオン:
“レエテ……。貴様ハ儂ノ「デイルドラニウス」ノ餌食トシテクレル”
“面白イ。レーヴァテイン、貴様ノ策ニノッテヤロウ”
“調子ニ乗ルナ!!! イイ加減ニ叩キ潰シテクレルワアアア!!!!”
男性、70歳、身長360cm、体重380kg。白い肌、青の瞳。戦闘スタイルは両手持ち戦鎚。
“斧槌“ギルド将鬼にして“竜壊者”の異名を持つ。全身を刺々しい兜と鎧で覆い、醜い異形を隠している。異常成長した骨で圧迫された声帯により独特のかすれた発声をする。
支配地域は、ノスティラス皇国および北ハルメニア自治領。
ドミナトス地方、グレンデル族の出身。出生時から少年期にかけて異常な成長を続け、巨大な異形の怪物となる。その容貌と力を悪神の再来と恐れた部族から放逐され、追われる身となる。殺戮を続けるうちさらに巨大化し、絶対的な強さを身に着けたのち、神器デイルドラニウスを手にすると同時にサタナエルにいざなわれる。
入って間もなく将鬼となり、北ハルメニアのドラゴン討伐に執念を燃やし領民から英雄視される。己の経験から、強い結束をもつ家族をもつことにこだわり、ソガール、サロメ、ロブ=ハルス、ベルザリオンなどに目をかけ育てる。しかし自覚はないが本性はあくまで異常な戦闘狂、殺人狂である。
フレアの策に乗り、レーヴァテインの誘導によりエルダーガルド平原に進撃。レエテと対峙し追い詰めるも、ビューネイを無残に叩き潰したことでレエテの激情を起こしてしまう。最後は両足で首を締められ窒息、頭部を“螺突”で粉々にされるという無残な最期を遂げる。
[使用武器、技]
デイルドラニウス:
シュメール・マーナの剛力の悪神、ギャバリオン・ガルムの神器。打撃部から柄までの全てが赤銅色のアダマンタイン製であり、その長さは3m半、重量は300kgを大きく超える、レヴィアターク以外に扱うことは不可能な巨大武器。オリハルコンもダイヤモンドも、この神器の前では紙同然であり、容易に叩き潰される。
積乱雲:
デイルドラニウスを水平方向に力一杯振り回し一回転する、基本技。シンプルではあるがその破壊力の前にはあらゆる小細工は風の前の塵に同じ。
永久輪廻:
デイルドラニウスを左右に傾けながら頭上で回転させ、打撃部の遠心力により半永久的に打撃を継続できる。かつてノスティラス皇国軍の強兵数百人を一瞬にして叩き潰した。
サロメ・ドマーニュ:
“この意味が分かるか……。私は枷を、外したのだよ。貴様らに生きる道は、ない”
“私は貴様を娘だなどと思ったことは一度も、ないが?”
“思い、知ったか!!!! 痴れ者めが!!! 死ね死ね死ねえええ!!!”
女性、38歳、身長174cm、体重61kg。黒の長い髪、白い肌、茶色の瞳。戦闘スタイルは弓+チャクラム+格闘術。
“投擲“ギルド将鬼にして“眼殺の魔弓”の異名を持つ。カンヌドーリア公国有力貴族の令嬢として生まれ育つが、その異常性から16歳でついに父母を巻き込む殺人を犯し、サタナエル入りする。
これまで特定の支配地域を持ったことはなく、“本拠”の守護を続けている。その理由は、実の息子であるヴェルと離れたくない一心(無自覚だが実際は、彼の母親である自己満足と支配欲を満たしたいだけ)。そのためであれば、いかなる他者も利用する。
将鬼長でヴェルの愛人となったフレアに、ヴェルからの引き離しを画策されたり罠にはめられ、深い怨念をもつ。
純戦闘種であり、実は将鬼の中でも最強クラスの物理攻撃戦闘者。本拠から派遣されないように、重量100kgの鎧を枷として身につけ、実力を隠し続けていた。
実はヴェルと同時にレエテを産んだ、彼女の母親であることが判明する。だが己の身勝手なプライドで出生以来殺害を企むなど、親としての愛情はかけらもなかった。激戦の末に娘レエテに敗北、せめて最後にと触れ合いを求めた彼女の手を猛然と拒絶し絶命。戦場である遺跡の崩壊に巻き込まれ消えた。
[使用武器、技]
“神鳥”:
シュメール・マーナの最大の悪神、テオドル・ゴランの神器の一つ。弦以外の全てが赤銅色のアダマンタイン製であり、2m以上の長さを持つ巨大弓。中心のヒンジから左右に分割することができ、左右同時に矢を放つことが可能。またその弾力の生む強さから、一気に巨大矢を3連で放つことも可能。途轍もない重量があり、鈍器としても恐るべき威力を誇る。純戦闘種のサロメ以外に扱うことは不可能な弓。
チャクラム:
オリハルコン製の、直径50cmほどの鋭利な環状の武器。両手にそれぞれ持ち、白兵専用の武器としても、投擲し恐るべき切れ味を誇る死の円盤としても機能する。グラン=ティフェレト遺跡の怪物100体あまりを難なく沈め、かつては5000のエストガレス軍を相手取った。
倍弦弓射三連:
“神鳥”にセットした三連の弓を、サロメの怪力により極限に振り絞った弦から放つ必殺技。弩級以上の威力誇る上、点というより面の攻撃力を持つ特性により、レエテの頭を吹き飛ばした。
ゼノン・イシュティナイザー:
“おお危ない危ない……。僕が血破点開放の使い手でなかったら、君に心臓を貫かれていたよ”
“ああ、キレイだ、キレイだよオファニミス。今すぐにでも君を僕のものにしてしまいたい”
“調子に乗るな、虫けらが!!! 我は貴様などに不覚をとることは決してない!!!!”
男性、25歳、身長195cm、体重96kg。金の長く結わえたくせ髪、白い肌、翡翠色の眼。戦闘スタイルは法力。
“法力“ギルド将鬼にして“狂信者”の異名を持つ。
支配地域はエストガレス王国の、法王府を含まぬ以南。王都ローザンヌを支配下に置く。
王国ジャヌス自治領の、大僧正の令息として生まれ育つ。非常に優秀かつ極めて純粋なハーミア信仰者だった。ある事件で尊敬する父母と法王庁の腐敗、乱れた性を知り、逆上して父母を刺し殺す。処刑を待つ身をフレアに助け出され、以来彼女と思想や行動を共有する。フレアに先んじてサタナエル入りし、頭角を現し“血破点開放”を会得、20歳にして将鬼の座につく。
過去の経緯から、12~17歳ぐらいまでの人形のように美しく清らかな少女にのみ執着し、侍らせては自身の礼拝の生贄に殺す異常性愛者。男性と成人女性を嫌悪する。エストガレス王女オファニミスに異常に執着していた。後にサタナエルの方針転換にしたがい王国の崩壊を目論んだときも、オファニミスに近づき彼女を利用した。
“血破点開放”による鬼人ともいうべき肉体の強さで、ラ=ファイエットを虐殺後、レエテと一対一にて対決する。幾度も追い詰めるも、レエテの純戦闘種としての成長もあり反撃され、最後は発動した“結晶足”によって敗北する。奥の手で死を免れるも、ダレン=ジョスパンに遭遇、彼の手で一方的に止めを刺され絶命した。
[使用技]
聖壁:
強力な法力使いが全身にまとう聖なる防護壁。剣や弓の一撃を吸収したり弾いたりすることができる。
裡門:
格闘術。溜めた全身の力を肘に集約し、弩級の肘打ちで敵の肉体を破壊する。
血破点開放:
ルーミスに同じ。
槍撃天使:
超強力な法力を最大の血破点から送り込み、敵の血管、骨、筋組織、神経組織を足元から全身破壊していく地獄の苦痛を与える技。ラ=ファイエットが激戦の末喰らい、大罪の報いとばかりに無残な死を迎えた。
白光雷槌:
槍撃天使のダウングレード技。
鬼人霊統過活性:
血破点開放の状態のまま、究極の血破点へ法力を流し込み、全身の細胞を究極活性させ強化肉体を得る技。全身が赤銅色になり、極限まで筋肉が膨張強化、瞳孔は白に変わる。まさに鬼人としか云いようのない身体能力を誇る状態となる。
過活性放出:
巨大光球を発生させ、触れた者全てを過剰活性によって爆裂死に追いやる技。
極大過活性放出:
過活性放出を地面に集約して放ち爆発、光の無数の柱を周囲に発生させることで、攻め込む敵を絶対死に追いやる最大の迎撃技。ダレン=ジョスパンを仕留めるべく放ったが、通用することはなかった。
神罰槌:
鬼人霊統過活性の状態で放つ、天から振り下ろす拳撃。レエテの頭部を破壊する寸前まで持ち込んだ。
神罰槍:
鬼人霊統過活性の状態で放つ、手刀の突撃。
仮死冥凍法:
法力を己の脊髄に集約しておくことで、心臓が止まり体温を失っても暫くの間仮死状態となることができる。法力を解放して身体を蘇生させられる。レエテに敗れたゼノンが、この方法で蘇生を果たした。