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名探偵・藤崎誠シリーズ  ジュリア編

アマゾネスの村

作者: さきら天悟

「よし、ここに設営しよう」

リーダー格の男が言った。


各自、大事そうに手に持った武器を置き、

背負った、重そうな荷物を降ろした。

テントや三日分の食料。

祝杯用のビールやワインもある。


「殲滅したら、なんだって出来るって本当か?」

金髪の男が鼻の下を伸ばして言う。


ぽっちゃりした男は、薄笑いで同調した。


「どうやって、料理するかだな。

彼女らを」

長身の痩せた男が言った。


「美女しかいないっていう噂だぞ。

アマゾネスって」

ぽっちゃりした男が言う。


アマゾネス、伝説の女戦士の集団だ。

1970年代だったか、映画化された。

アマゾン奥地に女戦士の村があるという。

彼女らはみな美しく、水着のような格好で、

攻めて来る男と戦ったのだ。


「噂だろう」

リーダー格の男はニヤつくヤツラを引き締めようとした。


「うるせぇ、リーダー面するな」

金髪の男が言った。


「寄せ集めだが、リーダーは必要だろう?」

リーダー格の男は反論した。


彼ら5人は、ネットで集まったのだ。

アマゾネスの村を侵すために。


「まず、偵察を出そう」

リーダー格の男は提案した。


「勝手にやってろ。

俺らは、勝手にやる」

金髪の男が言うと、銀髪の男が頷く。

二人はこの業界では名の知れたコンビだった。

そう言うと彼らは、銃の手入れを始めた。

金の男は、接近戦用の自動小銃、

銀の男は、ライフル。


残りの二人は食事を始めた。

高給缶詰を開け、キャビアをむさぼり、ワイングラスを掲げる。

この二人も知り合いのようだ。


リーダー格の男は着替え、始めた。

迷彩服から黒づくめへと。

そして、携帯端末で確認した。

これから一人で偵察に行くつもりだ。


「ご苦労なこって」

金の男が茶化す。


「戦いはもう始まってるぞ」

リーダー格の男は暗視ゴーグルをかけ、

ライフルを背負って走っていった。




3時間後、リーダー格の男は設営地に戻った。

収穫は十分だった。

彼女らは別荘地にいた。

3軒あり、灯りがあった。

4人の成人女性を確認した。

噂のような水着姿ではなかった。


意外にも、4人の男は出迎えてくれた。

彼らの胸は赤く染まっていた。


「死んじゃいました」

金の男が自虐的に言った。


「鮮やかでした」

銀の男も冷静にコメントした。


「何人で来た?」

リーダー格の男は問うた。


「3、4人だったかな」

ポチャリとした男が答えた。


「もっといたはずだ。

後方支援がもう4、5人いたはず」

銀の男は言った。


「全部で十数人か。

早朝、作戦会議を開こう」

リーダー格の男はリーダーになった。


「でも、良かったな」

長身の男が言った。


「羨ましいな」

金の男が言う。


リーダーは怪訝な顔をする。


「ジュリアに撃たれて。

本当にいたんだ伝説のアマゾネス」

長身の男がうっとりしている。


「本当に上半身、水着だった」

銀の男が言った。

「惚れた」


リーダーは思った。

出血大サービスだな。

ジュリアのサービス精神に感心した。

ジュリアに勝てるのは俺しかいない。

この名探偵藤崎誠にお任せあれ、だ。




アマゾネスの村、それは名探偵藤崎誠がジュリアに提案した、

地域活性化プロジェクトの一つだった。

ジュリアは『男の肝試し』の次にサバイバルゲームを手掛けた。

ペイント弾をしたサバイバルゲームをアマゾネスの村という舞台で行ったのだった。

新潟県の打ち捨てられた別荘地を利用して。

すぐにネットで話題になり、3か月先まで予約は埋まった。

時にジュリアは伝説のアマゾネスとして登場した。

初め男らは好奇心、遊び半分で参加した。

しかし、彼女らには勝てなかった。

彼女らの中には元プロがいたのだ。

イスラエルのモサド、イギリスのSAS、米露の特殊部隊などなど。

彼女らは指導教官にもなり、日本人女性訓練した。

こうして最強のアマゾネス集団がこの日本の誕生したのだった。


藤崎は微笑んだ。

久しぶりにジュリアに合えると思った

『SIN肝試し』の続編です。

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