結果にコミットする
贅肉を減らす方法?
なんだい、ダイエットのことかい?
そうか、そうか。
良いだろうついて来い!
ビ○ー隊長!
「はっ!」
脂汗をかいて不快な目覚め方をしてしまった。
それに、ブリジットが起こしに来る前に、おきてしまった。
何かもったいない。
どうすれは、この体が絞れるか?
良いだろうダイエットをしてやろう。
以前友達(向こうが、どう思っているかは分からない)から聞いたことがある。
ダイエットには、筋肉をつけなければならないが、豚すぎるとまずは、贅肉を燃やしてからでないと筋肉がつけられないらしい。
まずは、ランニングだぜ。
運動をすることが可能な衣服を用意させる。
当然、外には出してもらえず、敷地内を走るだけだが、リンスター家の屋敷は大きく、内周で、それなりの距離を走れる。
さあ走ってやる。
やるんだ!
~五分後~
「はあぁあ!はぁ!なかなか、やるじゃないか」
全然動けていないじゃないか。
走るというよりは、歩いていたのに、今は太ももが上がらない。
畜生!
隊長はおろか、ラジオ体操でさえできないじゃないか!
くそっ!どうすれば!
その時、天は奇跡を与えるのであった。
あのBGMが、頭を駆け巡る。あの軽快なビートとレベルアップ音。
目の色が変わる。
「こ、コミットしてやるぅ!」
食事を見直すために、料理長と父親に頼み、野菜をメインにした。
炭水化物は大敵だ。
なお今日は、昨日より格段に、食事の質が下がっていた。
週末は、他の兄弟が帰ってくるので、豪華になるそうだ。
しかし、野菜は大変おいしく、箸がすすむ。
肉!肉ぅ~。肉!
ハウス!
オッケー
肉を食べては良いが、鶏肉でな。
この日は、肉は食べず野菜のみだった。
父親はいくら何でも、野菜だけではウサギになってしまうといっていたが、豚に比べればましだと言い放つ。
ここで“豚”様に失礼なので言っておくが、豚の体脂肪率は通常の人間より少ないので、あしからく。
~一日後~
「はあぁあ!はぁ!なかなか、やるじゃないか」
筋肉痛ハンばねー。
この脂の塊の中にも筋肉が埋まっているという、人間の神秘を感じながら、今日も食事療法と運動を行う。
ブリジットは、無表情にその足掻きを、見つめている。
分かる、足掻いても無駄だと、それでも、男には通らなければならない道があるんだ。
~四日後~
今日は、ちょっとサボっちゃった。テヘ。
だって~辛いんだもん。
下の妹には、ほんわかした声で。
「ち~兄無理しちゃダメ」(相変わらずボリバリ食べながら)
一番下の妹からは。
「キモイ」
何?キモイって。
会話ですらないよ。
会話していこうよ。
そんなこんながあり、昼食ではいっぱい食べました。
まあ、胃は細くなっているようで、当初の様には食べなかったが。
~三か月後~
そんな、こんなしているうちに、三か月が経過して、その肉体は、見違えるほどたくましくなった。一ヶ月を過ぎた頃から、体重は急激に減少してきて、日々数値が変化するので、楽しくなってくる。その頃から、徐々に筋トレができるようになってくる。
皮のたるみは、二ヶ月を経過したころから、気にならない状態まで締まってきた。
現在は、百キロ超あったであろう体重が、八十キロ台まで減少した。
顔もややシャープになり、元々ベースは良かったのであろう、イカした少年の表情になっている。
徐々に変化している様に、下の妹からは。
「私も始めようかな~」(相変わらずボリバリ食べながら)
一番下の妹からは。
「キモイ」
はは、相変わらずだね。
そして、誰も評価はしてくれなかった。
当然、ブリジットも相変わらず無表情である。
ただ、料理長だけが、泣きながら。
「やりましたね!坊ちゃま。最近は、昔の様な横柄な素行も無くなり、人が変わったようで、私めは今、猛烈に感動しております」
「そうか、そうか。ところで、そんなに横柄な態度だったけ俺?」
料理長は、非常に言いにくそうな表情で、
「ええ、特に使用人のブリジットには、毎日のように手をあげておりましたからな。私共は、料理を投げられたくらいでしたが」
「最低だな」
「は?」
「いや、何でもない。水に流せとは言わないが、以後気を付ける」
「はっ」
何か、わけ分からんまま、敬礼なんかしちゃってる料理長を背に、何だよレオール君いくら自分が惨めだからって、人に当たっちゃいけないよと考えていた。