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影わずらい

選考戦は、チーム同士の対決になる。

体がだるい。

頭がくらくらする。

寝不足と、空腹。

またチームに迷惑を掛けてしまった。


ふらふらの体をおして、特設された試合会場に上がる。

野外に特別設置されたリング。広さは、サッカーコート二個分くらいと意外と大きい造りになっている。


それを囲むように壁が設けられている。

魔術で強化されているそれは、堅牢な白の城壁の様だ。

観客席は訓練場に設けられており、魔導映写機工により、立体映像で再現される。

それは観客も同じで、こちらからは光学映像の観客を見る形になる。

シミュレーターの技術を生かしたらしい。

これで、観客を巻き込むような事故は無くなる。

また、参加者はセーフティリングがつけられ。自身の魔力切れによる、防御が間に合わない時に自動発動するようになっており、それが発動した段階で敗北とみなされる。

要は、安全性の高い試合という事だ。

俺からすれば、もう少し安全性能を高められるが、今はそんなことを考える余裕はない。


各レースのチームが第一回戦で対戦する形式になっており、第二試合まで、仮眠をとる事にした。


第二試合が終わったのは、ちょうど昼時だった。

起こされた後、一息欠伸をついて気持ちを切り替える。


映像による声援が会場内に鳴り響く。

何というかシュールではあるが、意外に臨場感のある映像で驚いた。

逆に、応援者の方も、こちらの鮮明な立体映像を見ていると思うと、少し不思議なきもちになる。


インテリジェンス種の固有能力を持った選手を中心にしたチームが初戦の相手である。

空中戦に持ち込まれたらこちらは、不利になるのは明白であろう。

それに、油断はしてくれていないようで、ブリジットに対しては相当な不満があるらしい。同時に、その力を恐れている。


それぞれが、端に整列する。

かなり離れた所に、相手チームが並んでいる。


向き合った瞬間に、陽気なBGMが流れ、司会者が現れる。

ツインテールの桃色がかった髪と、キラキラした目が特徴的な、少し小柄の少女である。

ホログラムのその子は、ピョンピョンしながら、中央に立つ。


「さあ始まりました第三戦。ここでの注目カードは、何といっても『ブリジット』選手でしょう。予選では、華麗なるゴールを決めチームを勝利に導きました。対する、三年生チームは、魔術に長け飛行可能なインテリジェンス種の固有能力持ちが二人も所属しております。空中戦に持ち込めれば、勝利は間違いないでしょう。それでは、レディーファイ!」


その声と共に、開始のブザーが鳴る。


お互い攻める姿勢をすぐには見せない。


「誰がいく?」


「じゃんけんにしますか?」


「お前らまじめにやれ」


「ふあぁぁ」


「まとまりがありませんね」


五者五様の反応である。


「じゃあ俺が行くか」


そういいながら俺は前にでる。

眠気はまだあるし、少しだるさが残る。


三年生どもは、不満の声を上げる。

馬鹿にされたと感じ、一斉に俺に向かって攻撃を加える。


【仙道】

【寂滅の瞳】

【瞬刻】


四方八方からのあらゆる攻撃を、回避し続ける。


「なんとレオール選手、この激しい攻撃の雨あられの中をいとも簡単に避けています」


ホログラムの観客からは感嘆のため息と、声援が送られる。


そして、刀の間合いに入ったところで、心の位置を入れ替える。


【餓鬼道】

【雷神の一振】


雷を纏った斬撃は、一瞬で二人を切伏せる。

そして、体内のマナを血流の様に全身にみなぎらせる。

あの部屋の主が言っていた。

最後から二番目の教えを実行してみた。

実際には、訓練塔で既に成功しているので、改めての体になじませるだけの作業だが。


【外道】

【魔人化】


影が体に纏わりつき、黒のオーラを放つ。


【影具足・(オーガ)


自分に纏わりつく影が、鬼の形をかたどる。

鬼が揺らぎ、その力を解放する。


種別固有能力“金剛力”


【雷神の三振】


居合いの構えから一気に、横一文字に刀を引き抜く。

その一撃は、雷を纏う風を生み出すように、横一文字に壁面を破壊して、

砂塵がもくもくと空間を覆う。


「す、凄まじい攻撃です!塵で全く見えませんが、三年生チームはどうなってしまったのでしょうか?」


暫くして、その砂塵が晴れた所で、初めて観客は、勝敗を知るのである。

そこには、雷を纏った刀を持った黒い影のみが立ち尽くしていたのだから。

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