世界を変える力
皆と解散した後、俺は図書館塔に直行する。
入室後に、また棚の本が変わる。
精霊に関する本と、魔眼に関する本。
やはり生きているな、この図書館塔は。
【寂滅の瞳】
マナの動きが視覚化される。
「いるのだろ?道しるべ達」
紅いマナの光が、人族の形状を取る。
双子の姿で現れる。
「人が僕らに話しかけてくるとはね。マリナ」
「人が私たちの話しかけてくるなんてね。イガルク」
「そうか、お前たちか、俺の頭を無断で覗き込んだのは」
「何故僕らが居るとわかったんだろ?マリナ」
「何故私たちが居るとわかったんでしょう?イガルク」
「この目は、マナの動きを捉える。精霊の意思も確認する事ができる。お前たちは、特殊な魔導具に宿り気まぐれに、精霊以外の種族にその身をゆだねると聞く。俺に、その道しるべをくれないか?」
「唐突にいってきたな。マリナ」
「唐突にいってきましたね。イガルク」
「無理な頼みだという事は分かる。しかし、今後俺がこの世界を変えていく上では、力が必要だ。そして、『情報』は力となる」
「僕らの価値を理解しているね。マリナ」
「私たちの価値を理解しているようですね。イガルク」
「その価値を、俺に使わせてほしい。要求があるならそれを受けよう」
「何にしようか。マリナ」
「何にしましょう。イガルク」
暫く、その場に、静寂が訪れる。
「そうだねそうしよう。マリナ」
「そうですねそうしましょう。イガルク」
「君に権限を解放する。訓練塔のシミュレーターでこの人物に勝てたら協力しよう。マリナ」
「あなたに権限を解放します。訓練塔のシミュレーターでこの人物に勝てたら協力しましょう。イガルク」
学生証に、新たな魔導文字が記入された。
「どんな方法でも構わない、彼に認められる事をしてきな。マリナ」
「どんな方法でも構いません、彼に認められる事をやってきてください。イガルク」
「承知した」
それだけ言葉を残し、俺は図書館塔を退館した。
そして、その足で訓練塔に向かうのだった。




