表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
41/55

小悪魔

リンヴァーラが全てを出し切って、魔導リングの光を渡す。

倒れ込むまでは行かないが、息を整えるように体を折り、立ち止まる。


その光を受けて、ブリジットは、静かに目を開く。

そして、リンヴァーラの肩に、優しく手を置いてから、【リインフォース】を全身に発現させる。


静かに、そして誰よりも雄々しく疾走する。

障害物になる建物は、壁を蹴って昇り、常にゴールに向けて、一直線に走る。

時には、建物の内部に入り、窓から窓へとアクロバティックに抜ける。


先頭者が、ゴールに差し掛かる。

飛行能力を持つ、インテリジェンスの所属するチームであり、難なく一番を獲得している。

予選では、上位二番目までが、選抜戦へ出場できる事から、油断をしていた。


そして、建物と建物の間から飛び出した、黒い影に不意を突かれてしまうのだった。

その影は、抜け出した建物の反対側の建物を、蹴り飛ばし、壁面に大き目のクレーターを作った後、その反動により、ゴールへ飛ぶように滑り込む。

そして、ゴール地点にある柱状の魔導機工に向けて、魔導リングを高らかにかざすのであった。

まるで勝利を宣言するように。


ま、マジでカッコいいんですけど、うちのメイド。

このレースをきっかけに、その雄々しい走りから、女性のファンが増えた。

そして、そのゴールでの凛々しい姿に、知名度と男性ファンも増えたそうだ。


予選では特に、実況はついていないが、ゴール後は割れるような喝采(かっさい)が起こったらしい。第三レース無名のダークホースの俺たちは、その後の学生新聞のリポーターにつかまり大変だった。メインは、ブリジットではあったが、そつなくインタビューを切り抜けていた。


祝勝をしたかったが、そんなこんなで、逃げるように解散して、自室でブリジットと食事を済ませ、いつもより早く彼女を自室に返す。

その際、彼女にお礼を言うと


「リンスター家のメイドは、あのぐらいこなせなくては務まりません」


俺はあきれた声で

「歴戦の兵士のはしりだったぞ」


彼女は少し悪戯な微笑みで、少し顔を近づけてきて

「いいえ、(わたくし)は、あくまでメイドですから」


そう言い放ち、一礼したのち反対側の自分の部屋に戻っていく。

その後ろ姿を見てつぶやく。


「小悪魔じゃないか……」


昨日の焼肉の所為だろうか、夜なのにやけに今日は、温かく感じた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ