後ろの席は、スマホポチリ易い
廊下で、久しぶりにマルコメ君と、話をしてから講義へ一緒に行くことにした。
例の大会が近いようで、今、飲食店は、食材の仕入れを急いでいるそうだ。
だから、立て続けに依頼が来るのか。
大会は、周辺都市から、各都市代表の選手が選出されてくる。
外部からの客も増えて、飲食店は、にぎわうそうだ。
講義室に入って、講義の準備をする。
準備といっても、教本とノート、それから最近本屋で購入した歴史の本。
担当講師のやる気のそがれる声音で講義が始まる。
講義を視聴しつつ、手元には、歴史の本を置きペラペラとめくっていく。
この世界は、精霊信仰があるらしく、三百年前には、魔王と精霊王が激突した。
その、激突の衝撃により、マナが活性化し、現在のように、各々がマナを蓄える機能を持つようになった。マナは、時には人の体を変革させる。元々、人族と魔族が小競り合いをしてきたが、その影響で、人族も魔人化してしまい。
お互いを理解するようになってきたらしい。魔人の中には、マナ活性化以降に生まれた人族を新魔人として軽視し、始祖から繋がる魔人を尊重する者もいる。
始祖も、もともとは、人族であったようだから、区別する必要のないのだが、優位性と伝統を重んじる類の人は、どの時代にも、どの世界にもいるようだ。
魔導具については、一般化はすすんでいないようだ。
でも、まったくない事もない。
以前、リッポニに行ったときは、魔導船という、バランス制御を魔導の力で保つ、沈没しない船が飾られていた。
魔導具を一般的なものとしていく事が、俺の目的でもある。
お店でも開いてみるかと考え、そのためには、学生時代に名前を売る事と、商工団体にパイプを作って置いた方がいいな。
真剣に、本を読み漁っていると、ふと、視線を感じた。
真隣、リンヴァーラからだ。
彼女は、案外ぶっきら棒に見えて、良く人の動きを気にしている。
「なんだ?」
彼女に、聞こえる程度の小さな声で話す。
「なんでもねーよ」
彼女は驚き、そう言ってから慌てて窓の方へ、目をやる。
「そうか……」
再び本をめくり読むのであった。
後少しで、図書館塔の入館許可もおりる。
手元資金もそれなりに集まったし、今後は、お金の心配なく、本を読むことができる。




