勇者倶楽部
集会塔へ戻り、部屋へ帰る途中。
前から、集団が現れる。
その先頭にいる、イケてる顔のメンズが、絶鬼に声を掛ける。
「絶鬼、またお前たちはしけた依頼をこなしてきたのか?まあ、俺たちのように、大型の魔獣の討伐依頼はお前らには、回ってこないだろうがな。はあはははは」
おいおい、急に小物臭が漂ってきているな。
こんなの、漫画だと一巻にでてきて、主人公との力を読者にアピールするためのキャラだよ。いわゆるパンチングマシーンだよこいつ。
「槐。こいつらの所をやめて、俺たちの勇者倶楽部に入れよ。うちに入れば大会で勝たしてやるよ」
おいおい、倶楽部ってお前。
クラブみたいでエロいな。
何か周りの奴らも、イケてるグループ(俺は、学生時代つねにイケてないグループだったが……いや、そもそもグループにはいっていたのか?)感出しまくりだし、女の子も多いよ。
「先輩もきたし、うちの居場所はここです。絶対」
何故か俺の後ろに隠れる。
こういうところは、あざといが可愛いな。
「あたいらに喧嘩売ってんのか?」
ギーバは前へ出ていく。メンチ切りまくりなんだけど怖い。
「やめろ、構うな」
絶鬼が、ギーバをたしなめる。
「まあいい、槐の前にいるのが、新人か?素行の悪そうな面をしているな。どうせ実力もなく、外見で去勢を張っている類だろう。くれぐれも早死にしない事だな。はぁはははは」
笑いながら去っていく。
後ろ姿に向けて、槐は舌をだす。
おもに、ギーバがピリピリした態度で、空気が悪くなりながら、部屋に戻る。
戻った後は、タズルが、商工団体の仕入の担当者を呼んでくると、外へ出ていく。
呼んでくる間に、皆で一服つく事に、何とマラキールの入れた薬湯を飲む事になったのだが、非常に臭い匂いがする。しかし、飲んでみると、味は悪くなく、体が軽くなった。
アストラル体へ働き掛ける効果があり、マナを可なり消費したのに、かなりクリアにアクセスできるようになった。
仕入れ担当と、タズルが戻ってくる。
少し、仕入れ担当は、入室時顔をしかめた。慣れたから匂いはしないが、外から来た人にはかなりの刺激臭だろう。
クレイドレイクの死骸を、仕入れ担当者に見せて、爪についてはこちらで、回収する旨を伝えたら、そろばんを叩きはじめ、四十万クラウンでの買取となった。
貨幣価値としては、円貨より二割増しぐらいのイメージだ。
初級士官生の一年分の給与に近い。
焼肉や、煮込みに使うらしい。
血についても一部渡す。
血の毒素は、少量ならば料理の隠し味になるらしい。
結構な稼ぎになった。
入ってよかったよこの同好会に。
しかし、学園の運営費として二割の売り上げは税金のように渡さなければならない。
商工団体から改めて献上証明という、魔導文字で書かれた紙を貰い月次で報告する。
所得税の様なものらしい。
だから三十二万クラウンが、次の日に振り込まれた。
学生証に魔導情報として保存され、シバーシン及び、近隣都市で金との交換が可能。
「今回は三十万クラウンについては、レオールに渡す」
「残りの二万クラウンについては、今後の活動費として利用する」
配分を絶鬼が決め、皆二つ返事で納得する。
商工団体の仕入れ担当は、帰る際に、新たな仕入れリストを渡してきた。
二日後に、再度収集を行う事としたので、今日は教養の授業くらいしかない。




