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飲食街

本来は、ブリジットが料理を作る予定であったが、面接も遅くなってしまったこともあり、マルコメ君とジュラを含めた四人で食事をすることにした。モーガスで料理の修行をしたという中華料理店風の店にたちより、皆で食事をよそいながら仲良く食べた。


「ううん。なかなか美味ですね!これは、作ってみたい料理です」


マルコメ君こと、マルクスコメットがそう評価する。

後から聞いた話だが、マルコメ君の能力は、料理を作ることらしい。ただ、普通の料理ではなく、その料理はマナにより、食べたものに、さまざまな効力を与えるという。


そして、ジュラについては、クジュラ出身の魔工技師であり、面接の時は、自分自身に魔装を施していたので、あんな夢のある音がしていたのだという。しかも自動装着可能で、換装によりあらゆる地形に対応した、魔装を生み出す。


普段はボーとしており、食べた後は口の周りにご飯がついているなど、生活力は非常に低く、ブリジットが甲斐甲斐しく世話をしている。ジュラは、次第にブリジットに懐いていき、ブリジットも妹ができた気分らしく、無表情ながら、ジュラを気にしている。


自分たちの話は、ほどほどにした。おそらく彼らも自身のすべてを話したわけでは無いだろう。多くの学生は、この都市で、仲間と一緒に、自分の夢を叶えるようとしている。そして、各々がライバルでもある。

ただ、夢に向かうという仲間がいるだけで、とても刺激を貰える。


楽しい時間は過ぎ、各々が寮へ帰っていく。

二人で帰り道少し寄り道をした。

広場の噴水を望めるベンチに座り、魔導灯でライトアップされたそれは、非常にきれいに煌めく。温かい飲み物を買い、ブリジットへ渡す。


「まだ、はじまったばかりだけど、俺はここにきて良かったと思う」


ブリジットは、静かにうなずく。


「俺は何をすべきか、まだわからない。それでも、ここでなら何かを見つけられる」


「私は、主様についていくだけです」


「それが、本当の望みか?」


迷い無くうなずく。


「それならば、進む道は、慎重に選ばなくてはな」


「期待しております」


やや悪戯っぽい、柔らかい笑顔を向けてくる。


ああ、幸せとはこの事なのだろう。

当分の目標は、一番下の妹の執事に勝る力を蓄える事だ。

しかし、それでは満足できまい。

この都市は、向上心を高める不思議な力がある。

その源である、彼女がいる限りは、俺は前へ進める。

この温かさは、飲み物の所為だけではないのだろう。


明日、高等課の担当講師が決まる。

新たな出会いに思いを馳せながら、二人で肩をならべ、寮へと戻るのであった。

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