誓い
次に起きた時には、ベットの上であった。
ブリジットが傍で寝ていた。
彼女の寝顔は、初めてだが美人というよりは、やはりかわいさもあるのだなぁとおもっていると、目を覚ます。
少し疲れと、やや目に赤さがあるようにも思えた。
「お目覚めですか?」
彼女は冷静に、受け答えしているようだが、お目覚めですかはこっちの台詞だっちゅうの!
おじさんしか反応できないネタですまんな。
「ああ、おはよう。心配かけさせてしまったな」
あまり表情をにはでていないが、安心したようで、緊張感は全く感じられない。
「旦那様にご報告してまいります。主様」
最後に、「主様」と最近つけるようになったのは、旦那様は雇い主であるが、真の主は俺であると強調する意味合いが強いようで、彼女は、会話の多くに主様とつける。
凛と退室する彼女の背中を見送り。
すぐさま、服を着替える。
能力を試したくはなったが、ブリジットが傍にいるときが良いな。
彼女にこれ以上心配をかけさせる訳にはいかない。
暫くすると、ブリジットと父親に仕える執事が現れて、地下室での軟禁は終了した旨と、現在、シバーシンの学園都市への入学手続を行っている事を伝えられる。
学校へ行きたいという希望を叶える意味合いもあるが、一番は、体の良い厄介払いなのだろう。
その証拠に、リンスターを名乗らない事が、条件のようで、兄弟たちとは違う学校だ。
ただし、シバーシンは学園都市として名高く、そこで大成すれば、兄弟たちよりはるかに、充実した学園生活が送れそうだ。
家に戻るのも長期休暇の時のみだろうし、楽しみである。
ブリジットについても、同学園への入学が行われる事となった。
その夜、すべての仕事を終えて、部屋に戻ろうとするブリジットを引き留めて、自分の能力の実験に付き合ってもらった。
何故か、彼女は、それを言っても疑う事も無く、二つ返事で付き合ってくれた。
自身のエーテル体は充実している。アストラル体へアクセスをする。そのなかの、【魔素結晶化】を使用する。
少しの虚脱感が、体を襲う。
手のひらに、空気中のマナが手のひらに集中していく感覚が自分自身へ伝わる。
直径一センチにも満たない、魔力の塊。魔石を作成した。
その様子を静かに見ていたブリジットは、驚くでもなく淡々とその魔石の出来具合を確かめていた。
「初めての魔石だ。お前にやる」
嬉しさはあったが、派手に喜ぶと恥ずかしかったので、ぶっきら棒に言い放つ。
ぎこちない笑顔でブリジットは答える。
「では、私もそれにお答えしたいと存じます。主様、おそれいりますが、お使いになっている金属製の道具をいただきませんか?」
そういわれたので、太っていた頃に身に着けていた装飾品の金属製のボタンや、ピンを渡す。
ブリジットは、それを手のひらに乗せて、ゆっくり息を吸う。
それらが、金色に発光して、少しずつ形状を変化させて、銀の指輪へと変わっていった。
その指輪に、先ほどの魔石をはめ込み。渡してくる。
【再構築】…“デックアールヴ”種の“種別固有能力”。物質を再構築して新たな形状へ変更させる。
そう、彼女は“種別固有能力“持ちであった。
驚いた、たぶん今まで、他人へ見せる事も無かったのであろう。
手を出すように言う。そして、その指輪を彼女の指へはめる。
「永遠の忠誠をお誓いします。主様」
彼女はそれだけ伝えると、一礼して部屋を出て行ってしまった。




