22 体
体育祭になりました!
翼視点!
体育祭当日。
チームごとに分かれたTシャツを着て、家を出た。その際、母様から憔悴しきった顔で頑張ってと応援された。
今日の応援に母様と父様はこれない。今日を楽しみに大はしゃぎしていた母様だったが、連日の締切の追い込みと寝不足で、熱をだしてしまったのだ。父様はうなされる母様を一人放って私の体育祭に行くことはできない。
とても申し訳なさそうにしていたが、病気は怖い。私は身を持って知っている。だからちゃんと治してほしい。そう訴えたら涙ながらに納得してくれた。
しっかりと治して、また元気な姿を見せてほしい。
『えー、皆さん。今日は絶好の体育祭日和。日頃鍛えた肉体を皆に示す絶好のチャンス。精一杯、正々堂々と、武士道を持って戦ってほしい――――』
今は開会式の挨拶。マイクで校長(たぶん。入学式に出てないので顔を知らない)が長々と話すのに若干辟易しながら、私は楽しみにしていた。
小・中学校の体育祭(小学校は運動会)はすべて私の一人勝ちだった。友達もいないので一緒に喜びを分かち合う人もいなかった。
しかし今年は違う。この学校の人たちは皆私と渡り合える人たちばかり。それに、夏菜と桜という友達がいる。
あぁ、はやく動きたい!
「翼」
「!夏菜」
「すごいやる気だね。ワクワクオーラが出ているわよ」
「楽しみだ……」
「……よし。翼がやる気だ。この戦い、我等の勝ちは決定した!」
「「「「おおおおおおおおおおおおおおおおおぉぉぉっ!!!!」」」」
突然湧き上がる雄叫びに目を丸くする。
「なんだと!?俺たちは負けないぞ!」
「何!?優勝賞品は俺たちのものだ!」
「いや、オレだ!」
「私たちよ!」
『…………えー、それでですね……怪我のないようにですね…………織多先生。お願いします。グスン……』
『任された!……おおぉぉいてめぇらぁ!』
突然の大声に全員耳をふさぎ、黙る。
マイクに、開智先生の怒りの声が聞こえた気がした。
『今年の体育祭責任者の織多だ。てめぇらが目指すのはただ一つ――』
「「「「ゴクリ……」」」」
織多先生はにやりと笑った。そして、指を一本天へと伸ばす。
『頂点だ』
「「「「ハッ……!!」」」」
『頂点以外は敗者だ。価値はねぇ。地面に這いつくばるのも、高見から見下ろすのも己次第』
言葉の合間に『なんてことを!』や、『いいかげんに……』とか聞こえるが、今校庭に集まるすべての人が、織多という武将の言葉に聞き入っていた。
『勝て!てめぇら!勝って勝利を掴みとれ!!』
「「「「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおっ!!!!!」」」」
地面が揺れるほどの雄叫びが響き渡る。かくいう私も、叫びはしないものの興奮していた。
早く、動きたい。戦いたい!
『ちなみにぃ、優勝したチームには、一か月食堂の飯タダ権だ』
「「「「おおおおおおおっ!」」」」
『個人MVPは夏休み宿題免除だ』
「「「「な、なんだってぇぇぇぇぇぇっ!!」」」」
やる気のボルテージは最高潮。
楽しい体育祭になりそうだ。
ほとんど織多の演説。
書いていて自分のテンションも上がった(笑)。
次回、体育祭の内容いってみたいです。




