19 着
今回はほのぼの・・・・・・?
「あーいやだねぇ。体力測定」
「とくにこの高校は武道を盛んに取り入れている学校だから、みんな平均より高めの数値だろうしね」
「普通に入った身としては辛いものがあるよ」
「えぇ」
「……」
「……」
「……翼」
「?」
「なんだい、このけしからんくびれは!」
「!!!??」
急に冷たい手が脇腹を撫でた。
制服を脱ぎ、上下とも下着姿になったところでTシャツを着ようと無防備になっていた脇腹の刺激に、思わず飛びずさる。
立花さんは両手をワキワキと動かしながらこちらににじり寄ってきた。
ただならぬ気配を感じ、警戒して相手の様子をうかがう。
「けしからん太腿……」
「!!!!?????!?」
突然、太腿をスルリと撫でられた。
急いでその場を飛び退くと、渡辺さんが同じように手をワキワキとさせていた。
彼女、気配を全く感じさせなかった。
私が背後を取られるなんて――――。
できる……。
ふと気づくと、その場にいる全員が私を見ていた。
ここは女子更衣室。窓は閉め切られ、八方を人に囲まれている。
……逃げられない。
「なにあの身体!ピッチピチ!(ヒソ)」
「白い肌!無駄のない引き締まった身体!(ヒソ)」
「胸も大きすぎず小さすぎず……いい(ヒソ)」
「こ、腰の括れがたまんない!(ヒソ)」
「さ、触ってもいいかな(ヒソ)」
「駄目よ!今は警戒されているわ!ここはさりげなく……(ヒソ)」
何やらヒソヒソと言われている。
……ハッ、もしかして、か、身体のことだろうか。
確かに昔(前世)は骨と皮で筋肉や肉はなかったが、今はそれなりに鍛えてあるはずだ。しかし、母親以外の女性の裸など見たことがない。
も、もしかして、まだ普通ではないのだろうか……。
いたたまれなくなって、思わず前を隠す。
「み、みないでくれ……」
「ブハァッ!」
「こ、これは……」
「クルわ……」
「夏菜ちゃん!」
「我が人生に一片の悔いなし……」
「駄目よ夏菜ちゃん。まだすべてを見ていないわ」
「そうだ……あの小さき布の先を見てみなければ……死ねん!」
「その活きよ!」
うぅ、早く着替えよう。こんな貧弱な姿を周りの人に見せておくのは申し訳ない。
『こら、壱ノ壱女子!いつまで着替えてんだ!早くグラウンドに集合!』
体育教師の怒鳴り声が聞こえたのを境に、全員慌てて着替え出し、私もほっとして素早くTシャツを着てジャージになった。
「先に行く」
まだこちらを睨んでいる立花さんたちにそういうと、慌てて女子更衣室を抜け出した。
私は知らなかった。出たあとの女子更衣室前に立った人物が、更衣室の中から『チィッ!』という盛大な舌打ちが聞こえたということをのちに恐ろしげに語っていたことを。
無法地帯、女子更衣室内の出来事でした。
続きは明日?




