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食うに食えない非常食 5







 それにしても、どちらの洞窟かは分かりませんが、風通しがいいですねえ。


「洞窟と言うよりトンネルだからな」


 なんですと。


「と言っても反対側の穴は狭い。俺は通れん」


 わたしならどうですか?


「通らせると思うのか」


 そうでしたすいません爪は向けないでください!


「……広さとしては、お前なら通れるだろう」


 あ、答えてくれるんですね。

 なんだかんだで優しいですねー。すぐ食べないでくれますし。


「煩い」


 すいませんでした牙を向けないでください爪より怖いですうううう!

 こんな至近距離じゃキッスしちゃいま……にゃあああすいません冗談です冗談!

 にゃあああぁあああ!!



 何故か前足や尻尾で地面をバシバシと叩くドラゴン様から逃げ惑い、ようやく落ち着いたらしいので再び近くに戻って着ました。


「そういえば……お前、人語は扱えんのか」


 人語は喋れませんね。せいぜい鼠語と鳥語くらいです。

 ドラゴン様は人語で喋ってらっしゃいますねー。竜語は使わないんですか?


「……竜語はあまり使わん。滅多に通じないし、同族もなかなか見んからな」


 ですねえ。ドラゴン食べられる魔生物って居そうにないですよね。なんか。


 ……えー、私たち魔生物ですが、魔語(魔生物の共通語。テレパシーにも近いです)のほかには見た目に合った言語を生まれ持っています。……言語と言うか鳴き声ですが。

 さて、こちらの方が重要でございますが、わたしたちは“食べる”事で魔力を取り込みますが、同時にそれを理解し、能力や体の構成ですとか、様々な物を取り込みます。

 つまりですね。言葉、体、そういったものの構成を覚え、変化できる生物なのです。

 鼠を食べれば鼠語が分かり、沢山食べると体を鼠にする事ができる、という訳です。


 ところで、人語だけは全ての魔生物が聞き取れるらしいです。人語にも色々あるというのに不思議ですよねえ。なんでも、魔語と構成似ているらしいですよ。


 ドラゴンさんはどんな言葉が?


「大抵は扱える」


 あ、ですよね。鉱物食のグルメ王がわたしなら、肉食のグルメ王はドラゴン様ですしね。

 猫語も使えますか?


「……使える……が」


 おお。でもなんか想像したくないですねえ、でっかい口からにゃーにゃー聞こえるだなんて。なんだか面白いです。


「…………。お前の同族を、喰っているのだぞ」


 そうですね? まあ、見た目だけですが。


「恐ろしくは、ないのか」


 ……えーと?






アカツキ(ドラゴン個体)


ドラゴン第2個体。推定雄。

2222事件時の観測地は日本上空。(アカツキ)は夜明けのこと。

鱗は黒く目は赤。その容姿から黒竜とも。

危険度5、稀少度5、個体ランクSSS。

目撃情報は多くは無いが、いずれもその場に居た殆どが犠牲になっている。

流暢な日本語、英語、独語などを話したという情報が入っている。


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