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Hello,Baby? 1

お待たせいたしました。

短めになりますが、出産編……? です。

いきなりちょっと時間飛びますが、どうぞお付き合いください。





 なにかを眺めているひとが居た。

 飽きもせず、じいっと。


 地図のような、それにしては少し違うような。

 黒い画面に散りばめられた、きらきらとひかる星のようなもの。

 ずっとずっと、眺めていた。


 眺めていることしかできなかった。


 あまりにそれと自分の大きさは違う。

 できることは、上から星を撒くことと、それそのものを破ってしまうことだけ。


 そのひとは、どうしたんだっただろう。


 ――そう、それはずっとずっと昔のできごと。


 見ているだけのことに耐え切れず、彼は。







 ……変な夢見た!

 な、なんだったんでしょう。背筋にぞわぞわ来る夢でした。


 ふと目が覚めると、まだ夜中のようで、あたりは暗いままでした。

 目をぱちくりとさせながらそっと体を起こし、ラオムさんの様子を伺い、それから反対側にも視線を向けます。


 そこには、卵。

 私の体長を余裕で越えるサイズですが、わたしとラオムさんの卵です、もちろん!


「……ティエラ?」


 じーっと見つめていると、後ろからいつもの低い声。

 寝ていると思っていたので少し驚きましたが、まあわたしよりずっと気配に聡いですしね。


「……まだ生まれんな」


 そうですねえ。

 そういえばふつうのドラゴンさんって、どれくらい孵化にかかるんですか?


「60日ほどだそうだ」


 わたしの同族のデータは無いですが、普通の猫と同じだとすれば大体同じくらいですね。

 ……という事は、あと十日くらいですか!


「そうだな」


 楽しみですねえ!



 ……どうやって生んだ? 企業秘密というか、生命の神秘です! いえ、別に秘密でもなんでもありませんけどね!







僕が生まれた日


ふと目が覚めると、そこは薄暗い緑色の空間だった。

ゆったりとした魔力の流れに包まれた、穏やかな場所だ。

暫くぼうっとしていると、壁の向こうからふたつの声がして、それが父母だと悟った。

また暫くして、自分の名前が分かった。これは人に教えてはならない。なら、名前を考えよう。

そうして殻が脆くなり、たゆたう魔力が全て己の体となった頃、自分の名前を決めた。

その場所が卵であることを知ったのは、両親の顔を見てからだった。


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