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おてごろ物件、ふたりの新居 3







 ――高さ千メートル近くから落下。

 物理的な耐久力に関しては自信がございませんので、本気でやばいと思われます! なにもしなければ十中八九……ぐしゃっと……ひ、ひいいぃぃっ!


 ラオムさーん!?

 ……ああっ、雲に紛れて見えません!

 まさに引き離された恋人! ちょっと素敵で……じゃなくてロミジュリごっこは後にしないとわたしが死にますうううう!


 落下しながら死に物狂いで体勢を整え、残り800メートル程――ええと、どうしましょう。

 案外冷静ですね、わたし! 段々修羅場慣れしてませんか!

 とりあえずラオムさんの助けを密かに期待しつつ……いえ、暗くなりはじめましたし、空中でぶつかったらそれこそ大惨事なのですが、ひとまず魔力を体の周りに集めます。


 ここからが腕の見せ所です! 見せなきゃ死んでしまいますからね!

 普段は数メートルほどまで拡散された状態になっている魔力を球状に集めて、外側から変化させていきます。

 わたしは魔力を鉱物類に変換する事が得意ですが、他のものに出来ない訳ではありません、というのは前にも。

 ……という訳で、落ちても平気そうな感じに変化させていきます。


 魔力とはそもそも、通常状態では周りに全く影響を与えません。

 普通の生物の目には見えませんし、触れません。多分気体ですが、持ち主の体に集まる性質がありまして、そのまま引き離すと霧散するようです。何かに変換すれば別ですが。

 物質もすり抜けますし、そのまま物にある程度は残留させる事も出来ますが、暫くすれば消えますね。


 わたしたちは魔力の密度や性質をある程度弄ることが出来ます。

 といっても、物質に変換する事は向き不向きが強く関係するのですが――魔力を“魔力そのものの固形物”として変換することは、多分誰でもできます。

 これを固形化といいます。そのままですね!

 ただし固形物の定義が曖昧で、柔らかくても固形物という事になっています。ようするに、魔力を触れる状態にするのが固形化、という訳ですね。

 地味ですが大変便利です。ただしある程度集中しなければならないので、切羽詰った時ほど役に立たないのですが。


 そういう訳で、固形化を駆使して落ちても大丈夫なように……なんだか心配ですが、とにかく何層にも覆っていきます。

 固いと衝撃がそのまま伝わってやはり骨がボキボキになると思われるので、柔らかく。柔らかすぎればはじけて意味を為さないので、弾力を持たせて――


 ……弾力?


 あ、と気づいた時にはもう遅く。

 魔力ボール、インわたしは木々の合間に落下して――そして。


 にゃああぁあああぉうぅあっ!


 昔流行ったスーパーボールのように跳ね回り、あえなくわたしは気絶する破目になったのでありました。










固形化


物質化とは違い、魔力そのものの固形物として変化させる。

平たく言えば触れる状態にする。液体・気体にする事もまとめて固形化。


魔力を変換したものは魔力の中で自由に動かせるという性質があるため、擬似的に超能力のようなことも可能。




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