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06. 気軽で気楽な気分転換

鈴木は4杯目になるハイボールを一口飲んで、


「まぁ、ヤマちゃんが言ってくれるように、気分転換とか気晴らしは

必要やろな……」


「そうやろ? どうや? オレの提案……」

「異性と ほんのひと時、気軽な気持ちで気楽に過ごすだけで、気分転換になると思うやろ?」


あえて私のセリフに、女、女性、妻、幸美を使わずに異性と言ったのは、

鈴木に漠然とイメージをさせながら核心に近づける姑息な作戦でした。

(浅はかですが……)

それでも昂る気持ちが声に移るのか、トーンは高めになっていました。


そんな気持ちを悟られないために……

程よく回っていた酔いのせいにするように、私はグラスを傾けて

氷を口に入れて頬張り、さらに続けました。


「気軽に気楽に、大丈夫、問題ないやろ……」


今思えば、何が大丈夫なのか、何が問題ないのか、

自分でもよくわかりません。

とにかく ここまで来たら、私はこの話を一気にまとめたいという

気持ちだけでした。


私は曲がりなりにも「妻と他人がデートをする」という、

今までアダルトな小説サイトを覗くことでしか味わえなかった

遠い世界の出来事のようなシーンが、まさか自分が主役になって

実現しそうな状況に、密かに舞い上がっていたのです。


「いやぁ…… あはは……」


向かい合っている鈴木の表情が緩んできていました。


「ウチのカミさんだって、お前の事情はわかってくれる筈や」


再度 私は 暗に「妻に頼む」という具体的な行動を提案しました。


友人としての親切心とか気遣いを装いながら、

その裏には「自分の妻」を他の男に任せることによる興奮や

刺激を求める心情を潜ませていたのです。


この時、昂っていた気持ち、ゾクゾク感というのは、

夫である私だけが理解できる刺激であり、

ED回復の特効薬にもなる気がしていたのでした。


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